2018年11月18日

HARUの『銀河宇宙オデッセイ』

 1990年にNHKで放送された『銀河宇宙オデッセイ』は、宇宙旅行仕立てのドキュメンタリーで、少年時代の宇宙への夢を擬似的に実現させてくれた。オデッセイというタイトルは、ホメロスの叙事詩『オデュッセイア』に由来する。ニューヨーク在住の日本人ギタリストHARUが作曲したテーマ曲を聴くと、番組を見た時の各場面がよみがえってくる。
 1曲目の「オデッセイ〜序曲」は、番組の冒頭で流された曲であり、僕自身が若かった頃の宇宙への憧れをよみがえってくる。2曲目の「イオ」は木星の惑星イオをテーマとした曲。宇宙に向かって噴火を続ける星が、地球以外にあったという点で、観測当時は大きな衝撃を与えた。個性的な衛星をたたえるように「イオ、イオ」という呼びかけの声が、電子音楽にミックスされている。
 3曲目の「フォッシル・コスミック」は宇宙の化石という意味。宇宙空間に漂う星の残骸をイメージしているのか。ギターの華やかな演奏と、軽快で心弾むメロディーが印象的である。4曲目は「タイム・パラドックス」。時間の逆説とは、速度を上げて移動すると、時間の流れが遅くなる相対性理論をイメージしているのか。謎をかけるような、迷路に誘い込むような印象である。5曲目の「エピソード・オデッセイ」は、ひとときの休息を促すような、一日の終わりを告げるようなメロディー。
 6曲目の「ルナ」はラテン語で月を意味する。子供たちの歌声に始まり、月を見て宇宙に思いを馳せた幼い頃を思い起こさせる、ちょっと感傷的な音楽。7曲目の「タキオン」は、光速を超えて移動すると仮定されている粒子のこと。重低音の鈍い響きが、ミステリアスな空間のねじれへといざなう。もし光速を超えて移動できたら、時間が逆行してしまうが、未来から過去を改変できないというパラドックスにぶつかる。特殊相対性理論では、その存在は否定されていないというが。
 8曲目の「ネビュラ」は星雲のこと。宇宙空間に漂うガスであり、そこから新たな恒星が誕生する。あらゆる可能性を秘めながら、まだ始まっていない状態。期待だけが膨らんでも、人類の宇宙への旅は実際には始まっていない。9曲目はふたたび「テーマ」曲。1曲目のメロディーを変奏して、ゆったりとしたテンポで幕を閉じる。


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2018年11月12日

廃仏毀釈で修験道がなぜ目の敵にされたか

 江戸時代の庶民にとって、日本で最も偉いのは江戸の公方様、二番目に偉いのが領主であるお殿様だった。江戸時代の外交では、徳川将軍は日本国王、大君であり、アメリカのペリーは、Emperorである徳川家慶宛の大統領の国書を持ってきた。
 幕府は初代将軍、徳川家康を神格化することで、権力を揺るぎないものにしようとしていた。そこには、天台宗の僧天海の入れ知恵があった。徳川家康は東方浄瑠璃世界の教主である薬師如来が、化身として日本に生まれた神、東照大権現であるという信仰が編み出された。日本中に東照宮が作られたのはそのためである。
 幕末になると、尊王攘夷の思想が擡頭するが、天皇が日本の中心であるという思想は、水戸学の影響を受けた武士や、国学者の間にはあったものの、庶民の間では依然として、江戸の公方様が日本の支配者だった。
 天皇中心の新政府を作るためには、真言宗が説いた信仰、「日本の神は仏の化身」という本地垂迹説が都合悪かった。天照大神の子孫が天皇であると主張する上で、天照大神が大日如来の化身であっては、日本がアジアの中心であるという思想を、庶民に刷り込むことができないからである。また、仏教の説く慈悲の精神を否定しなければ、徴兵制によって庶民を戦地に送り込んで、敵兵を討たせることもできない。
 神仏習合を体現していたのが修験道である。山伏は半僧半俗の存在で、幕府の宗教政策のもとでは、真言宗や天台宗の支配下に置かれていた。修験道が信仰の中心にしていたのは、仏の化身である神、権現だった。修験道の開祖、役小角が感得した金剛蔵王権現や、熊野三社の熊野権現が、古来から信仰されていた。武蔵国の高尾山では飯縄大権現、相模国の大山では石尊大権現といったように、修験道では神仏習合の多くの権現が信仰されていた。
 明治維新で幕府の権威を失墜させるためには、神仏分離を行い、東照大権現を否定する必要があった。権現という存在を抹殺する上で障害になる修験道は、明治政府はよって徹底的に弾圧されたと考えられる。


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2018年07月26日

「レムリアの記憶」

 レムリアというと、動物学者フィリップ・スクレーターが提唱した、インド洋上の仮想の大陸を思い浮かべるかもしれない。それが五千万年かけて、インド南部、マダガスカル島、マレー半島に分断されたという。
 ここで言うレムリアとは、神智学のブラヴァツキー夫人が説いたもので、太平洋上にあった巨大な大陸が、地殻変動によって水没したとされる。それはムー大陸と呼ばれるではないかと思うかもしれない。いずれにしても、太平洋上に霊的に進化した大陸があったと、一部の人たちに信じられてきたのである。
 霊的に進化したレムリア人は、脳の一部しか使用していない現代人とは異なり、脳をフル稼働させて、テレパシーで相手に想念を伝えることもできたという。これは右脳と左脳が同時に活性化した状態で、左右の耳から異なる周波数の音声を流したり、ゴーグルの点滅の速度を調整したりして、脳波を誘導することで可能となる。
「レムリアの記憶」は武田崇元氏がプログラムしたもので、「甦るレムリア」「レムリアン・シード」「レムリアの記憶」の三部作で構成されている。「甦るレムリア」では、海の中へと潜るとともに、イルカの鳴き声が聞こえてくる。これは海中の楽園世界を想起させるとともに、水没したレムリアへの旅であり、「カシーナ」を装着したあなた自身の、心の深層への回帰でもある。
「レムリアン・シード」はレムリアの種という意味。いきなり、静謐なピアノの音が響いてくる。あなたはすでに、深い瞑想状態に入っている。その証拠に、目の前をイメージがよぎったりしないだろうか。両手・両足の力がすべて抜けて、精神は目覚めながら、肉体は眠りについているのである。
「レムリアの記憶」では、銅鑼の音が鳴り響いた後、抒情的なメロディーが流れてくる。せせらぎの音に気づいたあなたは、レムリアの世界に戻ってきており、海中に没する以前の楽園にいる。ということは、失われたと思われた能力も、あなたの内部で眠っていたということ。肉体から自由になったことで、時間と空間という制限にとらわれていない。ここでは、心で思ったことが単なる空想ではなくなり、望むことが実現する創造の場に臨んでいるのである。


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