2018年02月18日

瞑想音声の作成

 バイノーラル・ビートとは、左右から異なる周波数の音を聞かせ、その差に当たる周波数の音を脳に生じさせる音声のことである。これによって、脳波をガンマ波(瞑想)、ベータ波(覚醒)、アルファ波(リラックス)、シータ波(夢見心地)、デルタ波(熟睡)に誘導することができる。
 ただし、人間の脳波は複雑で、集中しているときにアイデアが浮かぶとシータ波が出たり、意識がある覚醒夢の場合には、ベータ波が出ているらしい。要するに、複数の脳波が絡み合っているということだ。
 ロバート・モンローが開発したヘミシンクの特徴は、単純なバイノーラル・ビートとは異なり、複数のバイノーラル・ビートを重ね合わせて、微妙な脳波の状態を作り出した上で、言葉による誘導を行ったりするという点である。モンロー研究所の《ゲートウェイ・エクスペリエンス》は、潜在能力を開発したい人向けのプログラムで、その効果には定評がある。
 こうした脳波誘導の音声を生成するソフトウェアがある。Jim Petersが開発したSBaGen(https://uazu.net/sbagen/) である。Windows版のほか、Mac版、Linux版などもある。ただ、コマンドで操作するソフトウェアなので、普通のユーザーには取っつきにくい。SBaGenに関してはさまざまな(英語の)資料があり、SBaGenで作成された音声も公開されている。
 SBaGen Binaural Wave Generator(https://sourceforge.net/projects/sbagen/?source=typ_redirect)にアクセスすると、関連資料とともに、モンロー研究所のフォーカス3からフォーカス27までの音声を生成するファイルが公開されている。フォーカスというのは、ロバート・モンローが変性意識の深度を表すためにつけた名称で、どうやら匿名の資料から、各フォーカスに対応するヘミシンクが、どのような音を重ね合わせて作られたか導き出し、SBaGenで各ファイルを作成したものらしい。
 SBaGenがインストールされた環境では、各ファイルをクリックすると、Dosプロンプトが起動し音声を再生する。ファイルを右クリックすると、WAVファイルが書き出されるはずだが、64bit版のWindows10の環境では、書き出しに失敗するようだ。その場合、フリーソフトのAudacity(http://web.audacityteam.org)の登場である。Dosプロンプトが再生している音声を、Audacityで録音してしまえばいいのである。
 瞑想音声を作成する手順は以下の通りである。まず、瞑想を誘導する言葉をAudacityで録音する。スクリプトは自分の目的に合ったものを用いる。僕の場合は、ディーパック・チョプラの『ゆだねるということ』に収録された第一から第七のスートラ(経典)を用いた。録音時間は15分あまりかかった。録音が終わったら、何分かかったかメモしておく。
 次に、重ね合わせたい脳波誘導のファイルを再生し、Audacityで録音する。瞑想ならフォーカス15が最適と思われる。時間の感じられない空(くう)の意識に誘導する。スクリプトの音声より、多少長めに録音しておく。導入の部分で脳波が誘導されてから、言葉が再生されるように調整するわけである。
 脳波を誘導する音声は、かろうじて聞こえる程度に弱めておく。Audacityで再生し、よい具合にできたところでミックスし、MP3の320kpsで書き出す。圧縮しすぎると、脳波の誘導がうまくいかなくなる。出来上がったら、携帯端末に転送する。これでいつでも好みの瞑想ができる。


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2018年02月09日

カシーナの拡張プログラム《Journey to the Sun》

 現実をシミュレートするVRアプリなどが若者の間で流行っているが、視覚的な錯覚よりも聴覚的な錯覚の方が、妙な現実感があって無意識に訴える効果が強い。ロバート・モンローが開発したヘミシンクなどは、音楽と組み合わせると深いリラックスや夢見るような感覚を与える。脳波をアルファ波やシータ波に誘導するからである。宇宙旅行に憧れているなら、Max Corbachoの《Cosmic Traveler》(宇宙の旅人)がお勧めである。ただし、アーティストはmonroe instituteになっている。圧縮されたmp3より、CDの方が効果的である。
 宇宙旅行と言えば、惑星探査機ボイジャーが太陽系を探索し、貴重な音声データを送信してきた。そのままでは人間の耳ではよく聞こえないので、人間の可聴音域に変調した物を、若い頃の僕は夢中になって聞いた。現在ではiTunes Store(https://itunes.apple.com/jp/album/nasa-voyager-space-sounds/id336195159)で購入することができる。
 ところで、ブレインマシンの「カシーナ」は、ヘミシンクと同様の耳からの脳波誘導に、ゴーグルの光の点滅による視覚からの脳波誘導を組み合わせたものである。日本では八幡書店(http://www.hachiman.com/)から販売されている。カシーナの機能については、iTunes Storeのpodcastや僕のブログ(http://takanoatsushi.seesaa.net/)などから『カシーナと脳内芸術』という冊子を配布している。
 カシーナは拡張性があるので、さまざまなプログラムを楽しむことができる。原理としては、mp3形式のファイルにゴーグルを点滅させる信号が打ち込んである。圧縮していない音声の場合は320kpsで圧縮すれば、脳波誘導の信号は削除されない。
 今回紹介するDominique Nelisの《Journey to the Sun》は、SpectraStrobe形式なので、カシーナ以外のブレインマシンでは正常に作動しない。このプログラムはディーパック・チョプラのサイト(https://www.deepakchopradreamweaver.com/collections/audio-mp3-collection)などで販売されている。
 太陽に向かって発射されるロケットに搭乗する体験をシミュレートしたもので、NASAで録音された音声を使用しているので、余りの迫力に圧倒される。秒読みが始まると、もう逃れられないという緊張感が走る。噴射する火炎と轟音が伝わるとともに、反応する光がけたたましく点滅する。聴覚と視覚がシンクロしているのである。それとともに、脳波誘導による効果で、奇妙な浮遊感を覚える。宇宙空間を高速で進んでいく感覚は、何度繰り返しても圧倒される。
 なお、このアルバムにはほかに、血管の脈動をイメージしたミニマム・ミュージックのRunや、シャンソン風のMontmartre、水をイメージした弦楽のAquaが収録されている。


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2018年02月07日

ディーパック・チョプラの『ゆだねるということ』

 Deepak ChopraのThe Spontaneous Fullfillment of Desireである。直訳すると『自ずと欲望を満たすこと』になる。ディーパック・チョプラは存在レベルを、物理的領域である現実、エネルギーの領域である量子、意識や知性によって成り立つ「すべて」の領域に分類している。人間の意識は量子から成り立っているエネルギーを、物質として解釈している。宇宙自体が意識を持っており、個人は宇宙の一部であり、意識自体は肉体が崩壊しても残ると主張している。
 人間の一生を振り返ると、多くの偶然によっているのが分かる。意味ある偶然の一致が起こるのは、そのように宇宙によって企画されていたからだという。宇宙は可能性を、偶然の一致という形で提示する。それを活かすかどうかは個人の選択である。瞑想の習慣を持つことで、偶然の一致をとらえてチャンスがつかめるようになるという。
 理論に続いて、偶然の一致がもたらされるための瞑想やスートラ(経典)が示される。これはインドのヴェーダンタ哲学から引用されたものだという。言葉とマントラが組み合わされたものが、読誦することで魂の奥深くに浸透し、変化がもたらされるのだろう。
 日本の仏教では「自力本願」や「他力本願」について語られるが、誤解をともなうことが多いようである。「自力」と言っても、修行にいそしむのは自分だと言っているだけで、自分よりはるかに大きな力に身を任せる点では「他力」を受け容れる必要がある。悟りに至るまでの道が異なるだけで、向かう目標は同じである。
 ディーパック・チョプラの説く方法も、実践するのは自分自身でも、「偶然の一致」を活かす点では似ている。ただ、宇宙の力は単なる「他力」ではない。アートマン(真我)から見れば「他力」のように見えても、アートマンとブラフマン(創造神)は本来同一である。この点では同じ仏教でも、ヒンドゥー教の影響を受けた密教の方に近い。すべては大日如来の表れであり、本来は「一切衆生悉有仏性」なので、自身の本源に立ち帰ればいいのである。

参考文献
ディーパック・チョプラ『ゆだねるということ』(住友進訳 サンマーク出版)

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