2018年09月10日

Cannonball Adderleyの《Somethin' Else 》

 マイルス・デイビスのグループに参加していたキャノンボール・アダレイが出した初期のアルバムで、リーダーは実質的にはマイルス・デイビスである。マイルス・デイビスははコロムビア・レコードと契約していたため、ブルーノートから出すために、キャノンボール・アダレイをリーダーに据えたというのが実態だが、先輩であるマイルス・デイビスが、後輩のデビューのために力を貸してやったという意味もあるのだろう。ピアノでハンク・ジョーンズ、ドラムでアート・ブレーキーが参加している。
冒頭はジャズのスタンダードとして余りにも有名なAutumn Leavesである。アルバムをヒットさせるには、スタンダードを組み込むことが重要だ。ジャズのファンは、よく知っている曲がどのように料理されるか、アレンジを楽しむことが多いからだ。この曲はマイルス・デイビスがトランペットで、《Kind of of Blue》で見られる渋い響きのまま、哀切を込めた演奏をしている。寄り添うようなキャノンボール・アダレイのサックスも美しいが、あくまでもトランペットの引き立て役に徹している。
 2曲目はLove For Sale。扇情的なタイトルのスタンダードで、ロマンチックなハンク・ジョーズのピアノの後、マイルス・デイビスのトランペットが、前曲に続いてメロディアスな演奏をする。キャノンボール・アダレイの即興的なサックスをはさんで、トランペットのメロディーで終わる。
 3曲目は表題曲のSomethin' Else。それまでのスタンダードで、おとなしかったマイルス・デイビスが、のびやかで想像力豊かな演奏をしている。メロディーにとらわれず、即興的にイメージを広げることで、キャノンボール・アダレイと実力を競い合っている。これなどは、サックスのチャーリー・パーカー、トランペットのディジー・ガレスピーによる《Bird and Diz》を思わせる。掛け合いによる相乗効果がよく出ている。
 4曲目のOne For Daddy-Oは、ニヒルな感じの曲。前曲があまりに素晴らしいため、マイペースな印象を受ける。マイルス・デイビスもキャノンボール・アダレイも味のある演奏をしているが、気の張らないくつろげる雰囲気を醸し出している。
 5曲目のDancing In The Darkは、チャーリー・パーカーの演奏をよく聴いたものだが、ここではキャノンボール・アドレイが、ゆったりと濃厚な魅力を見せつけている。締めはおまえがやれとマイルス・デイビスに言われ、有無を言わさぬ力強い響きで、パーカーとは異なる男性的な世界を展開している。


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
http://itunes.apple.com/jp/podcast/qing-kong-wen-ku-no-zuo-jia/id504177440?l=en

Twitter
https://twitter.com/lebleudeciel38

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村


人気ブログランキングへ





ランキングはこちらをクリック!

posted by 高野敦志 at 03:22| Comment(0) | ジャズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年09月06日

MQA Tag Renaming Application

 MQA-CDをリッピングしても、携帯端末でMQAとして認識されないことがある。それを回避する方法は、以前、MQA-CDのリッピングについて(pdf)でまとめた。これはiTunes Store(http://itunes.apple.com/jp/podcast/qing-kong-wen-ku-no-zuo-jia/id504177440?l=en)から配布している。
 今回、MQAの開発元から、リッピングしたファイルに自動でタグをつけるソフトウェアが、無料で配布されることになった。使用方法など、日本語で説明されているので、事前に目を通しておいた方がいい。
 ソニーのMusic Center for PC(https://www.sony.jp/walkman/software/musiccenter/)などでリッピングしたファイルをフォルダごと、起動したMQA Tag Renaming Application(http://www.mqa.co.uk/customer/tag435sdf43te)にドラッグすると、元のフォルダの下にMQAというサブフォルダが作られ、その中にタグを付加したファイルが作られるというもの。
 タグの書き込みなどの作業が苦手な人には、大きな助けとなるだろう。新たに作られたファイルをフォルダごと、Music Center for PCなどに登録し、携帯端末に転送すればいい。これによって、MQA-CDの音質の素晴らしさに、簡単に触れられるようになった。


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
http://itunes.apple.com/jp/podcast/qing-kong-wen-ku-no-zuo-jia/id504177440?l=en

Twitter
https://twitter.com/lebleudeciel38

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村


人気ブログランキングへ





ランキングはこちらをクリック!

posted by 高野敦志 at 03:37| Comment(0) | ジャズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年09月01日

John Coltraneの《Live In Stockholm,1961》

 スタジオとライブの録音では、同じアーティストの演奏でもかなり違う。スタジオでは録音状態がよく、いくつか録音したうちの、最も良いテイクがアルバムに収録される。
 一方、ライブの場合、周囲の音が入ってしまうし、必ずしも録音に適した会場とは限らない。ただ、それが場面の熱気も伝えることになるのだが。
 アーティストによっては、会場の反応が演奏に影響する。即興演奏が多いジャズの場合には、高揚した状態では神が降臨したような、素晴らしい演奏になることがある。さらに、力の上で競合するアーティストが参加すると、奇蹟的な音空間が出現する。
 コルトレーンには《My Favourite Things》というアルバムがあり、同じメロディーを変奏しながら盛り上げていく点で、クラシックならラヴェル作曲のボレロを連想させる。一般に知られたこのアルバムも悪くないのだが、コルトレーンの執拗さが、人によっては単調さに感じられるかもしれない。
 同じ題名の曲を、コルトレーンはライブでも演奏しており、特に1961年にストックホルムで、エリック・ドルフィーと共演しているものが、今回お勧めしたいアルバムである。録音状態は必ずしも良くないが、コルトレーンの演奏は乗りに乗っている。単調さは感じられず、呪術的な力で会場を圧倒しながら、絶頂に向かってひた走っていく。
 絶頂に達した瞬間、コルトレーンに代わってドルフィーのフルートが、同じメロディーを天上の音楽のように、変幻自在に奏でていく。こんな素晴らしいドルフィーの演奏は、僕は他に知らない。ほとんど神懸かっている。もう息を呑むばかりで、呼吸をするのを忘れてしまいそうである。
 僕はかなり前、このライブ演奏をmp3でダウンロードした。演奏の素晴らしさに感動したが、音の状態が余りよくないと思った。最近、ジャズ喫茶でそれを聴いて打ち震えた。早速、CDがほしくなった。以前調べたとき、中古で15000円で売っていた。ところが、その夜に限って、1500円で売っているのを見つけた。届いて聴いてみると、やはりCDの音は違った。魂がこもっている。mp3なんか所詮、メロディーが聞こえるだけの張り子に過ぎない。
 このアルバムには、ライブ盤のBlue Train、Naima、Impressionsも収録されている。いずれも、スタジオ録音よりも、自由に想像力を巡らした、最高の演奏だった。mp3で聞いた時にはそれに気づかなかった。こんな素晴らしいアルバムがなぜ廃盤となっているのか。また、リマスターしてハイレゾで聴けたら、さらに感動が高まるだろうに。


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
http://itunes.apple.com/jp/podcast/qing-kong-wen-ku-no-zuo-jia/id504177440?l=en

Twitter
https://twitter.com/lebleudeciel38

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村


人気ブログランキングへ





ランキングはこちらをクリック!

posted by 高野敦志 at 05:08| Comment(0) | ジャズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする