2020年08月19日

A Night With Strings Vol.3: Sadao Plays Parker

 渡辺貞夫がチャーリー・パーカーの曲を吹いたアルバムを、今まで三つ聴いてきた。《Bird Of Paradise》バード・オブ・パラダイス(1979)、《PARKER’S MOOD SADAO WATANABE LIVE AT BRAVAS CLUB ’85》パーカーズ・ムード(1985)、《Dedicated To Charlie Parker》チャーリー・パーカーに捧ぐ(1989)だが、今回聴いたのは《A Night With Strings Vol.3: Sado Plays Parker》ナイト・ウィズ・ストリングス3の貞夫・ブレイズ・パーカー(1994)である。
 クリスマスの夜にチャーリー・パーカー・ウィズ・ストリングスの曲を、渡辺貞夫が弾くという趣向である。バイオリンの悠々とした演奏、アレンジされた伴奏に、渡辺貞夫のサックスが上品に寄り添う。確かに美しいし、今まで聴いたことがない。
 Just FriendsやLaura、The Gypsyなど僕が好きな曲ばかりなのだが、おしゃれな感じにまとまっている。生まれ変わったメロディーに、速度を落としたサックスが、遠慮がちに鳴り響く。職人技なんだろうが、鬼気迫るようなインパクトがない。演奏が終わった後の拍手から、コンサート会場に臨む紳士淑女の姿が浮かぶ。
 ビーバップ感を抜いたチャーリー・パーカー、ノンアルコール・ビールみたいだな。クラシック音楽のファンなら気に入るかもしれないが、ビーバップで本領を発揮した渡辺貞夫はここにはいない。本人も当日の演奏には不満があったという。


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2020年08月18日

渡辺貞夫の《Bird Of Paradise》

 以前、渡辺貞夫がチャーリー・パーカー(バード)の楽曲を演奏したアルバムのうち、《PARKER’S MOOD SADAO WATANABE LIVE AT BRAVAS CLUB’85》を推奨した。ライブ版であるので、魂のこもったノリノリの演奏に、観客の熱狂がものすごいのだが、今回紹介する《Bird Of Paradise》も、スタジオ録音で観客の反応が見られないという点を除けば、素晴らしい演奏をしている。ハンク・ジョーンズが率いるザ・グレイト・ジャズ・トリオとの共演である。
 1曲目のBird Of Paradiseは、バードの演奏ではやや憂鬱な印象を与えていたが、お馴染みのメロディー以外は、全く新しい曲に生まれ変わっている。
 2曲目のDonna Leeは、バードの楽曲と思われているが、実際に作曲したのはマイルス・デイビスである。ゆるやかな原曲を倍以上の速さで演奏し、本人以上にバードらしく吹き鳴らしている。
 3曲目のEmbraceable youは、心に訴えかける曲調で、ダイレクトに胸に迫ってくる。とはいっても、バードと違って哀しみをたたえているわけではない。
 4曲目のStar Eyesはお馴染みのスタンダードだが、これは素直にバードの演奏をなぞっている。とはいっても、ザ・グレイト・ジャズ・トリオの変奏が生きているので、単調な印象はない。
 5曲目のDexterityは、バードのダイアル版に収録されている曲で、バートの演奏がもっとも鮮烈だった頃のものである。バードの原点ともいうべき曲を、見事な腕で再現している。
 6曲目のIf I Should Lose Youは、ハードの《April In Paris》に収録されている曲で、感傷的な曲をややハイテンポで演奏し、Charlie Parker with stringsの曲を、初期のバードの技量で演奏したような印象がある。
 7曲目のYardbird Suiteも、ダイアル版に収録されている名曲。これぞ原点の原点と言うべき曲。元気だった頃のバードの姿を彷彿させる曲。バードになりきって、バード以上になっている。
 8曲目のK.C.Bluesは一転して、ブルーな印象だが、冷静な目は一方に持っていて、クールな印象でまとめ上げている。アルバムの最後を飾る完璧な演奏である。


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2020年08月15日

ゆったり癒しの夜ジャズピアノ〜星降る夜のBGM〜

 本物のジャズは魂そのものをぐっとつかんで、演奏された時空に引き浚っていくものだと思う。基本的にイージー・リスニング的なBGM、レストランでかかっているようなジャズは、余り好きではないのだが。個性が乏しいと迫力がない、という先入観があるんだろう。
 今回購入したこのアルバムは、Relaxing Piano Crewの演奏で、内容はタイトルの示す通り、疲れている魂を癒してくれる。また、何か考えながら聴くのにも適している。音楽自体が主役ではないのだが、背後からそっと支えてくれるような優しさがある。
 ハイレゾの音楽はBGMには適さないと思っていたが、音質が良い分、心の奥深いところを揺さぶってくる。ピアノという楽器の音色の美しさは、CDでは再現できないんだろう。ピアノという巨大な楽器全体で響いている音は、ハイレゾでなければ表現されない。
 すべて星を想像した静かな曲で、イメージは一曲ずつ異なるのだが、全体として明るい夜を演出している。ジャズのファンでない人も、本来の自分を取り戻すことができる。一人で物思いに耽りながら聴いても、仲のいい相手と語らう間に流しても、素晴らしい夜のひとときを演出してくれるだろう。
 この曲はe-onkyo(https://www.e-onkyo.com/music/album/ssip071/)で販売しているが、Amazon Music HDでも聴くことができる。


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