2018年09月03日

島でなくても桜島(10)

 翌朝、スイス人の彼と記念撮影した。チェックアウトすると、走って桜島港に向かった。鹿児島港に着くと、西鹿児島駅10時10発の特急つばめに乗り込んだ。当然のことながら、当時は九州新幹線は走っていなかった。
 博多到着は午後2時。新幹線で東京方面に向かうのはつらい。もう5時近い。2時間乗っていても、まだ福山辺りを走っている。あと3時間半も揺られているわけか。途中居眠りしたせいで、今朝桜島を出てきたのさえ、過去の記憶としか感じられない。今なら飛行機しか使う気になれないが。
 旅の終わりはやはり寂しい。日常とは異なるもう一人の自分が、ようやく息を始めたばかりなのに、また普段の生活に戻らなければならないからだ。旅の喜びとは、未知の土地で出会った人と、社会のしがらみにとらわれずに、ありのままの自分で接することだな。


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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みちのく・では 陸奥・出羽の旅 第2版(pdf)

 僕の青春時代から数年前に至るまでの全4回、東北を旅した紀行文です。東北は江戸時代までは、広大な地域が、陸奥・出羽の2国にしか分割されていませんでした。長らく日本人にとっては、最果ての地だったからです。
 ここには、旅の先々で感じた思いやイメージがつづってあります。エキゾチックな感覚にとらわれるのは、僕だけではないでしょう。そこには寡黙ながらも、懐の深い自然があります。気軽に読めるものと思いますので、目を通していただけたら幸甚です。
 ちなみに、表紙の写真は白神山地の十二湖で撮影したものです。
 第2版では「三内丸山遺跡を訪ねて」の一章を追加しました。以前、ダウンロードされた方は、ファイルを差し替えて下さい。
michinoku2.pdf

 パソコンですぐに開けるpdfファイルなので、保存してからご覧下さい。Adobe Acrobat Readerの「フルスクリーンモード」だと、バーチャルな書籍がモニターに再現されます。iTunesからダウンロードする場合は、マイミュージック→iTunes→podcasts→当該のフォルダの下に、ファイルが入ります。

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2018年08月31日

島でなくても桜島(9)

 再びフェリーに乗って、桜島ユースホステルに戻ってきた。親しくなったスイス人の若者と、言葉や文化について話した。「とてもいい辞書なんだ」と言いながら、英語で説明された漢字辞典を見せてくれた。当時はまだスマホは登場していなかったから、外国人も紙の辞書を使っていた。
 漢字辞典には、音訓引きと部首引き、総画数引きがあるが、外国人用の辞書はもっぱら総画数引きになっていた。スマホなら書き順など分からなくても、画面にただ書くだけで文字が認識されるのだが。当時の欧米人にとっては、漢字を調べるだけでも難行苦行だったのだ。
 話は言葉から、文化の問題に移っていった。侵略された国の民衆は、ナショナリストになりやすい、と僕が言うと、彼は「ナショナリストには二つある」と説明してくれた。
「一つはネオナチや、スキンヘッドやってるような人間。もう一つは、自分の国を愛している人間だよ。小さな国は守るために、自分の国を鎖さなければならない。アメリカの小さな部族なんかは、周囲から影響を受けたら、自分たちの文化を失ってしまうからね」
 彼はスイス人でプロテスタントだが、自分たちがそう呼ばれるのを好まない。protest(抗議する)は良くないから、reformist(改革派)と呼ぶのだそうだ。カトリックに関しては批判的で、家の宗教として慣習の形で守っているに過ぎないと答えた。彼は宗教の表面的な違いより、通底するものの方に関心を持っていた。
「本当は宗教の違いなんか関係ないんだ。キリスト教でも、仏教でも、イスラム教でも」(つづく)


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