2019年05月19日

映画『ゴジラ』第一作

 ゴジラシリーズの第一作で、制作者の意気込みを感じさせる。CGなどなかった時代に、着ぐるみのゴジラを暴れさせ、細密に作られた模型を破壊していくさまは、制作者の創意と努力の成果である。1954年(昭和29)に公開されたもので、昭和時代の街並みと風俗にも目が行った。荷物をリヤカーに積んで逃げ惑う様は、関東大震災の頃と余り変わらない。ボンネットが飛び出したバスは、昭和40年代前半まで走っていた。年配の女性の多くは着物姿だった。
 ゴジラは水爆実験によってすみかを奪われ、小笠原諸島沖の貨物船や、漁船、島の民家を破壊し、東京湾から上陸して沿岸部を焼き払っていく。単なる娯楽映画ではなく、水爆に対する批判のメッセージが込められている。また、破壊者であるゴジラを退治すべきだと主張する主人公尾形と、生物学者の立場から、生態の研究を優先すべきだとする山根の対立、オキシジェン・デストロイヤーという酸素破壊兵器を発明した化学者、芹沢のジレンマなど、多くの問題意識を観客に呼び起こす。
 オキシジェン・デストロイヤーが兵器として悪用されることを恐れた芹沢は、それをゴジラ退治に用いることを、当初は拒絶する。しかし、主人公らに説得され、設計図などをすべて焼却した後、ゴジラ退治にそれを抱えて海の中に潜っていく。ゴジラは窒息したのちに、肉まで溶かされて骨になるのだが、オキシジェン・デストロイヤーの拡散を恐れた芹沢も、水中で自らの命を絶ってしまう。
 ゴジラはゴリラとクジラから作られた合成語である。ゴジラ退治と芹沢の死が重なり合うため、メルヴィルの『白鯨』の結末のように、悲劇的な重苦しさが漂っている。手放しで拍手喝采などできない。子供が見ても理解できないのではないか。
 配役で目を引いたのは、尾形を演じた若き日の宝田明の姿である。こんなイケメンだったとは知らなかった。水もしたたるいい男である。男は年ととともにすっかり容貌が変わってしまう。一方、若き日の菅井きんは、国会の女性代議士を演じていたが、激しい口調で持論を展開する姿に、晩年の意地悪な姑役に通じるところが感じられた。


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
http://itunes.apple.com/jp/podcast/qing-kong-wen-ku-no-zuo-jia/id504177440?l=en

Twitter
https://twitter.com/lebleudeciel38

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村


人気ブログランキングへ





ランキングはこちらをクリック!

posted by 高野敦志 at 03:22| Comment(0) | 文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年05月18日

小説「海に帰る日」(pdf)

 日本が元気だった昭和の後期、遠いふるさとへの思いに駆られた母は、家を出たまま戻らない。認知症を発症した老母を見守る息子の記憶は、軍靴が高鳴る混乱期に生きる、まだ若かった母の面影を追っていく。

 自作の小説をパソコンですぐに開けるpdf形式で配信します。以下のリンクをクリックすると開きますので、パソコンに保存してご覧下さい。Adobe Acrobat Readerの「フルスクリーンモード」だと、バーチャルな書籍がモニターに再現されます。ほのぼのした世界を描きましたので、ぜひご覧になってください。
uminikaeruhi.pdf

 iTunesからダウンロードする場合は、マイミュージック→iTunes→iTunes Music→podcasts→当該のフォルダの下に、ファイルが入ります。大部分のパソコンにインストールされているAdobe Readerで読むことができます。

 なお、パソコンのiTunesで「購読」したり、iOSのアプリpodcast(https://itunes.apple.com/jp/app/podcast/id525463029?mt=8)でマイpodcastに登録すれば、確実に新しいエピソードが入手できます。

「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
http://itunes.apple.com/jp/podcast/qing-kong-wen-ku-no-zuo-jia/id504177440?l=en

Twitter
https://twitter.com/lebleudeciel38

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村


人気ブログランキングへ





ランキングはこちらをクリック!

posted by 高野敦志 at 01:49| Comment(0) | 文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年05月16日

『バベルの図書館』をめぐって(ePub)

 アルゼンチンの作家ホルヘ・ルイス・ボルヘスが選んだ世界文学全集『バベルの図書館』について、自由な形で書いたエッセイを一冊にまとめました。元の作品を読んでいなければ分からないというわけでもないので、気軽に読み流していただければと思います。
 以下のリンクからダウンロードして下さい。
Babel.epub

 iTunesからダウンロードする場合は、ミュージック→iTunes→iTunes Music→podcasts→当該のフォルダの下に、ファイルが入ります。
 IEでダウンロードした場合は、拡張子をzipからepubに変えて、下記のアプリでご覧下さい。

 ePubはiOSのiPadやiPhoneなどで読むのに適した形式です。iBooksなどでご覧下さい。Windowsでは紀伊國屋書店のKinoppy(http://k-kinoppy.jp/for-windowsdt.html)が、最も美しくePubのファイルを表示します。

 ブラウザからePubを開く場合、Edgeならプラグインなしで読めます。Googleのchrome(https://www.google.co.jp/chrome/browser/desktop/index.html)なら、プラグインのReadium(http://readium.org/)をインストールして下さい。
 firefox(https://www.mozilla.org/ja/firefox/new/)にもプラグインのEPUBReader(https://addons.mozilla.org/ja/firefox/addon/epubreader/)があり、縦書きやルビなどにも対応しています。

 なお、パソコンのiTunesで「購読」したり、iOSのアプリpodcast(https://itunes.apple.com/jp/app/podcast/id525463029?mt=8)でマイpodcastに登録すれば、確実に新しいエピソードが入手できます。 

「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
http://itunes.apple.com/jp/podcast/qing-kong-wen-ku-no-zuo-jia/id504177440?l=en

Twitter
https://twitter.com/lebleudeciel38

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村


人気ブログランキングへ





ランキングはこちらをクリック!

posted by 高野敦志 at 04:41| Comment(0) | 文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする