2020年10月30日

十六歳の修学旅行(17)

 翌日はグループによる自由行動となっていたが、実は、もう少しで中止となるところだった。それというのも、広島のホテルの個室で、男女がハネムーンごっこをしていたことが、一部の教師の逆鱗に触れたからだった。そのために、自由行動をめぐって、先生たちの意見は二分されていた。
 教員会議の状況はなぜか、生徒たちにも伝わってきた。その中で、僕らの味方になってくださったのが、担任のK先生だった。一部の生徒の行動を問題視して、連帯責任を取らせることで、一生の思い出となる修学旅行を、悔いのあるものにすべきではないと、主張してくださったらしい。
 高校卒業までに習った先生で、このK先生ほど皆に慕われた先生を知らない。早稲田大学での学園紛争の話や、教師間のいがみ合い、性根の曲がった若者を叩き直したこと、かなりきわどい話まで教えてくださった。卒業して四半世紀経った後も、中年になった生徒たちに会いに来てくださった。教師になった自分が、理想としてきたのもK先生だった。(つづく)


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posted by 高野敦志 at 00:50| Comment(0) | 旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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