2020年10月25日

十六歳の修学旅行(15)

 日本三大鍾乳洞の一つ、龍河洞に到着した。高知県の東部にあり、岩手の龍泉洞、山口の秋芳洞と肩を並べる。ここの特徴は、弥生時代に住居として使われていたことで、弥生式土器が鍾乳洞の石灰石に包み込まれている。炉の跡や木炭、それに動物の骨なども見つかっている。
 午後三時過ぎから、約一時間、鍾乳洞の中を巡ったわけだ。石灰石が溶けて出来た洞窟は、延長4キロにも及ぶが、通常公開されているのは1キロである。現在は幻想的な光でライトアップされているようだが、当時は蛍光灯の鈍い光だけだったから、天井からつり下がった鍾乳石にも、大して関心を持たなかった。それよりも「もう、意地悪なんだから」と男子学生に甘える女子の声に、僕らの関心は向いていた。
 龍河洞の外には、珍鳥センターがあった。ここでの見ものは、特別天然記念物の長尾鶏である。尾が切れないように、縦長の箱の中で飼われている。外を歩き回ることは許されない。とにかく、伸びた尾羽を守るために生かされている。美しい尾羽を持ったばかりに、狭い箱の中に幽閉された鶏が哀れだった。(つづく)


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posted by 高野敦志 at 02:21| Comment(0) | 旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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