倉敷駅に近い料理屋で、刺身やフライの定食を食べた。二時四十五分に大原美術館に入る。岡田三郎助の「イタリアの少女」という絵に、皆の視線が集まった。白いブラウスに茶色いスカートをはいた、金髪の素朴な少女だった。目が澄んでいる。ひたむきなところもある。そばにいるだけで心が癒される可憐さがあった。
その後、後楽園に向かった。岡山藩主池田綱政が造らせた池泉回遊式の庭園である。一面に芝生が広がり、池のほとりに築山や茶亭などが点在する。ただ、高校生のことたから、しみじみしたものを感じたなどと、紋切り型のコメントしかできない。他の生徒は庭園を観賞するよりは、互いに記念写真を撮るのに忙しかった。(つづく)
「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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