2020年09月24日

コスプレが高じて

 アジアの東の島国に、狸とあだ名された女性政治家がいた。選挙公約など守ったことがないのに、住民をたぶらかして当選を重ねていた。
 この女の趣味はコスプレだった。淫祠邪教の祭りの夜に、うら若い少女に変装したつもりが、魔女と呼ばれたことを心外に思っていた。
「今年こそ、皆をあっと言わせてやりたいわ」
 秘書が持ってきたのは、政治家自身の顔をかたどったゴム製のお面だった。
「これをかぶれば、化粧する必要もありません。いくら年を取っても顔は若いままです。たとえ先生がいらっしゃらなくなっても、代わりの者が先生に成り代わって、偉業を継いでくれるんです」
 話を聞いた女は目を輝かせた。永遠の命を授かったような気がしたからだ。


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 01:43| Comment(0) | ショートショート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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