2020年09月21日

みんなそろって道後温泉(8)

 松山に戻ってから、奥道後に出かけた。湧ヶ淵(わきがふち)は石手川(いしてがわ)の上流にある。そこには次のような伝説が残っている。江戸初期の元和(げんな)年間、この淵に棲む大蛇が、夜な夜な美女に変身し、通行人を淵に誘い込んで殺していた。そこで、身を隠して現れた美女を鉄砲で撃ったところ、轟音とともに淵の水が渦巻き、のたうつ大蛇の姿が現れた。それからというもの、美女が人をたぶらかすことはなくなったという。

 蛇を斬つた岩と聞けば淵寒し

 夏目漱石が詠んだ句である。奥道後はあたかも、京都の山奥のような風情がある。朱塗りの橋を渡ると、「錦晴殿」という金閣を模した建物が、もみじの大枝から覗いている。ただし、2001年(平成13)の土砂崩れで流出し、現在は山門を残すのみである。さらに進むと、小振りながら渓谷が現れ、凄まじい音を立てて大岩を削り、深い淵を作っている。これこそ、大蛇が棲んでいた湧ヶ淵である。(つづく)


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
https://podcasts.apple.com/jp/podcast/qing-kong-wen-ku-no-zuo-jia/id504177440?l=en


Twitter
https://twitter.com/lebleudeciel38

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村


人気ブログランキングへ





ランキングはこちらをクリック!

posted by 高野敦志 at 02:18| Comment(0) | 旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: