2020年08月18日

渡辺貞夫の《Bird Of Paradise》

 以前、渡辺貞夫がチャーリー・パーカー(バード)の楽曲を演奏したアルバムのうち、《PARKER’S MOOD SADAO WATANABE LIVE AT BRAVAS CLUB’85》を推奨した。ライブ版であるので、魂のこもったノリノリの演奏に、観客の熱狂がものすごいのだが、今回紹介する《Bird Of Paradise》も、スタジオ録音で観客の反応が見られないという点を除けば、素晴らしい演奏をしている。ハンク・ジョーンズが率いるザ・グレイト・ジャズ・トリオとの共演である。
 1曲目のBird Of Paradiseは、バードの演奏ではやや憂鬱な印象を与えていたが、お馴染みのメロディー以外は、全く新しい曲に生まれ変わっている。
 2曲目のDonna Leeは、バードの楽曲と思われているが、実際に作曲したのはマイルス・デイビスである。ゆるやかな原曲を倍以上の速さで演奏し、本人以上にバードらしく吹き鳴らしている。
 3曲目のEmbraceable youは、心に訴えかける曲調で、ダイレクトに胸に迫ってくる。とはいっても、バードと違って哀しみをたたえているわけではない。
 4曲目のStar Eyesはお馴染みのスタンダードだが、これは素直にバードの演奏をなぞっている。とはいっても、ザ・グレイト・ジャズ・トリオの変奏が生きているので、単調な印象はない。
 5曲目のDexterityは、バードのダイアル版に収録されている曲で、バートの演奏がもっとも鮮烈だった頃のものである。バードの原点ともいうべき曲を、見事な腕で再現している。
 6曲目のIf I Should Lose Youは、ハードの《April In Paris》に収録されている曲で、感傷的な曲をややハイテンポで演奏し、Charlie Parker with stringsの曲を、初期のバードの技量で演奏したような印象がある。
 7曲目のYardbird Suiteも、ダイアル版に収録されている名曲。これぞ原点の原点と言うべき曲。元気だった頃のバードの姿を彷彿させる曲。バードになりきって、バード以上になっている。
 8曲目のK.C.Bluesは一転して、ブルーな印象だが、冷静な目は一方に持っていて、クールな印象でまとめ上げている。アルバムの最後を飾る完璧な演奏である。


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 02:50| Comment(0) | ジャズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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