2020年05月28日

東京湾アクアラインが出来る前(1)

 川崎から木更津までは、東京湾アクアラインで結ばれているが、完成する以前はフェリーで渡るしかなかった。川崎市川崎区の浮島から木更津までは、一時間あまりの船旅をしたものだ。二十世紀の終わりで、アクアラインが開通する一年前の十一月。まだ三十過ぎだった僕は、房総に紅葉でも見に行こうと思い立ったのだ。
 ちょうど横断道路の建設中だったので、浮島港を出てほどなく、進行方向右手に川崎人工島が見えてきた。これは海底トンネル部分の換気塔となる。東京湾は大きなうねりもなく、ほぼ平らの水面を横切っていった。お世辞にもきれいな水とは言えない。
 氷河時代に利根川や多摩川が削った深い谷があり、縄文時代以降に温暖化して、海水が入り込んで湾となった。だから、海底には浸食された地形が残っている。湾の奥は土砂が堆積しているが、川崎沖から次第に深くなり、横須賀沖より先は大渓谷が刻まれている。
 海ほたるも建設中だったのだろうが、僕はほとんど気にかけなかった。木更津に近づくと、防潮堤と埋立地の間をフェリーは進んでいく。遠方には木更津のシンボルとも言うべき、港をまたぐ赤いブリッジが見えてくる。(つづく)


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posted by 高野敦志 at 02:20| Comment(0) | 旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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