2020年02月19日

青梅のかんぽの宿(2)

 翌朝、カーテンを開くと、窓の下は多摩川の渓流になっていた。夕べは暗くてよく見えなかったのだ。しかも、川は「つ」の字のように大きく蛇行している。下流で目にする飼い慣らされた姿ではない。
 温泉に入り、朝食を取った。部屋に戻ると、どんよりしていた雲から白い物が降ってきた。どうしよう。これでは御岳山に行くの無理だろう。チェックアウトした後、とりあえず、郷土博物館でも見ようということになった。
 谷底におりていくと、萱葺の古民家が見えてきた。宮崎家住宅という江戸後期の農家だった。おじいさんが説明をしてくれた。囲炉裏の煙でいぶされた柱は、現代の物の二倍の太さがある。萱葺をふきかえるだけでも、一千万円かかったそうだ。
「随分、立派な造りですね」
「石灰石の取引で羽振りが良かったらしいですよ」
 おじいさんは、庭の先にある多摩川を指さした。昨年(2019年)の台風十九号では増水したが、このあたりでは氾濫はしなかったそうだ。ただ、中州の木などが倒されたようだった。(つづく)


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 02:46| Comment(0) | 旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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