2020年01月20日

「贋作 男はつらいよ 寅やん、京都へ行く」

 これは「男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け」のパロディーである。寅次郎が酒を飲んでいると、みすぼらしい和服姿の老人が、無銭飲食で警察に突き出されそうになっている。働いて少し金のあった寅次郎は、老人の飲食代をはらってやる。
 老人の求めるままに、はしご酒をさせられた寅次郎は、深夜にくるまやに老人を連れてくる。タクシー代までは持っていなかったので、おいちゃんに払ってもらうことになる。
 この老人は寝坊して「朝飯はどうなってる」と言い、朝風呂に迎え酒まで要求する。余りの厚かましさに文句を言うと、「ここは宿屋ではないのか」と洩らす始末。お礼に描いてもらった絵が、二十万で売れたのを知り、「情けは人のためならず」と得意顔の寅次郎。ホームレスだと思った老人は、池内青観という日本画の大家だったのだ。
 ところが、人助けをしたのに、そんな大金を受け取るわけにはいかないと、さくらに諭され、寅次郎はしぶしぶ、お金を返しに京都の青観の屋敷に向かう。受け取りを拒んだ青観は、祇園で芸者遊びをしようと言い出す。これが芸者のぼたんと寅次郎の出会いとなる。
 本物と贋作は設定がかなり似ている。青観の描いた絵が、本物では七万円、贋作では二十万円で売れる。これには物価の変動が反映している。本物では青観のお供をして、播州龍野でぼたんと出会うのだが、贋作ではぼたんが京都の芸者という設定にすることで、話をコンパクトにまとめている。


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 01:24| Comment(0) | 文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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