2019年12月21日

体外離脱

 自分そっくりの青年が歩いていた。知らないうちに、魂だけが抜け出してしまったんだろう。そこで、青年の体に戻ろうとしたのだが、皮膚で跳ね返されて入れない。どうやら先客がいるらしい。
 僕は抗議したのだが、相手の声を聞いて仰天した。僕の体の中に入っていたのは、何と親父だったのだ。通りのガラス窓に自分を映してみると、そこには親父の姿があった! 魂が入れ替わってしまったのだろう。元に戻ってくれと説得したのだが、親父は若い肉体の方がいいと言い張った。正気に戻そうと親父を揺さぶったところ、逆に腕をつかまれてしまった。
「親父、いい加減にしろよ」
 よく見ると、そっくりだったのは僕の息子で、自分は初老の親父だったのだ。


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 02:27| Comment(0) | ショートショート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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