2019年12月17日

でんでん虫

 でんでん虫は虫にあらず。貝でありながら、水中では呼吸できず、お天道様に照らされると、たちまち干からびてしまう。清めの塩をまかれると、体がどろどろに溶けていく。要するに、水や太陽や塩など、穢れを祓うものが大の苦手なのだ。いつもねばねばの粘液をまとって移動するから、通り道がべとべとになるばかりか、致死性の寄生虫が巣くっているから、子供たちが「でんでん虫むし、かたつむり、おまえの頭はどこにある」と歌いながら触り、手を洗わずに物を食べると、寄生虫が胃から侵入して脳を冒してしまう。そんなでんでん虫を非難したところで、人間の言葉が通じないから、平気の平左で、いざとなれば殻にこもって出てこない。


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 10:52| Comment(0) | ショートショート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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