普段は鎖でつないでいたので、散歩の時ぐらいは自由に走らせてあげたかった。大五郎が全速力で走ると、十八歳の僕でさえ、息がはずむほどだった。コースは大体決まっていたから、すぐに僕の方が引っ張っていかれるようになった。
犬のしつけの基本は、犬に上下関係を教え込むことだという。散歩のときも勝手に走らせずに、人間の指示に従って歩かせるようにすべきだという。でも、そんなやり方は好かなかった。犬と一緒に走って汗をかくほど、犬との一体感が感じられるときはないからだ。(つづく)
「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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ラベル:犬,イヌ派,散歩,柴犬