2019年07月25日

ぼくがイヌ派だった頃(14)

 白い犬は何の病気だったのか。そのときはまだ知らなかった。サブはどのぐらいうちにいたのだろう。2年もいなかったのではないか。サブの具合がおかしいので、母とぼくは獣医に連れていくことにした。
 キツネみたいに、毛並みに艶のあるサブを見て、獣医は頭をなでながら「いい犬だ」と言った。そして、サブの病気について話した。
「これはフィラリアっていってね。蚊を媒介にして移る病気です」と言いながら、犬の心臓の標本を見せてくれた。そこには無数の白いミミズがからまっていた。成長した虫が血管に詰まってしまう病気だった。
「手術するって方法はあるけどね。助かるかどうかは……」
 これは死の宣告だった。あの白い犬も同じ病だったのだろう。最初は元気がなくなり、歩くのもつらそうで息が荒くなる。薬で虫を殺すことはできるのだが、症状が進んだ段階では、心臓麻痺で即死する恐れがある。(つづく)


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 02:38| Comment(0) | 文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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