2019年03月12日

ぼくがダライラマ?(67)

 新郎と摂政に両脇を支えられ、新婦は立ち上がった。ぼくは脇で立ち尽くしていた。彼女は酔ったように、座らない首でこちらを向くと、小さな声で鋭く言った。
「あなたは残酷な方です」
 式はそのまま続行された。ぼくは法王の座に戻ると、侍従が止めるのも聞かず、度数の強い白酒(パイジュ)をあおった。食の入らぬ臓腑に、焼けるように流し込んだ。芸人が肩を並べて、タップダンスを踊っているのを、魂が抜けたように眺めていた。
  
 気がつくと、ぼくは寝室のベッドの上に横たわっていた。すでに夜となっており、バターの灯が放つ匂いで、ひどい胸焼けに襲われた。慣れない酒に手を出したのがいけなかった。頭がくらくらし、天井がゆっくり回転している。無性に喉が渇く。壺の水を手に取ると、ラッパ飲みした。(つづく)


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 02:09| Comment(0) | 連載 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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