冒頭はジャズのスタンダードとして余りにも有名なAutumn Leavesである。アルバムをヒットさせるには、スタンダードを組み込むことが重要だ。ジャズのファンは、よく知っている曲がどのように料理されるか、アレンジを楽しむことが多いからだ。この曲はマイルス・デイビスがトランペットで、《Kind of of Blue》で見られる渋い響きのまま、哀切を込めた演奏をしている。寄り添うようなキャノンボール・アダレイのサックスも美しいが、あくまでもトランペットの引き立て役に徹している。
2曲目はLove For Sale。扇情的なタイトルのスタンダードで、ロマンチックなハンク・ジョーズのピアノの後、マイルス・デイビスのトランペットが、前曲に続いてメロディアスな演奏をする。キャノンボール・アダレイの即興的なサックスをはさんで、トランペットのメロディーで終わる。
3曲目は表題曲のSomethin' Else。それまでのスタンダードで、おとなしかったマイルス・デイビスが、のびやかで想像力豊かな演奏をしている。メロディーにとらわれず、即興的にイメージを広げることで、キャノンボール・アダレイと実力を競い合っている。これなどは、サックスのチャーリー・パーカー、トランペットのディジー・ガレスピーによる《Bird and Diz》を思わせる。掛け合いによる相乗効果がよく出ている。
4曲目のOne For Daddy-Oは、ニヒルな感じの曲。前曲があまりに素晴らしいため、マイペースな印象を受ける。マイルス・デイビスもキャノンボール・アダレイも味のある演奏をしているが、気の張らないくつろげる雰囲気を醸し出している。
5曲目のDancing In The Darkは、チャーリー・パーカーの演奏をよく聴いたものだが、ここではキャノンボール・アドレイが、ゆったりと濃厚な魅力を見せつけている。締めはおまえがやれとマイルス・デイビスに言われ、有無を言わさぬ力強い響きで、パーカーとは異なる男性的な世界を展開している。
「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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