2018年07月01日

阿蘇は生きている(9)

 ユースホステルに戻った。同じ部屋に泊まっていた青年が、黒い犬と一緒にいたことが分かった。あの犬と杵島岳を登っていくと、中岳の火口が風上部分だけ見えたそうだ。本当はバスに乗りたかったのだが、犬がついてきていたので、帰りも登山道を一緒に戻ってきたとのこと。
 実は、黒い犬はユースホステルで飼っているわけではなく、誰かが連れてきて、そのまま居着くようになったらしい。知らない者でも温かく迎えてくれる宿だからこそ、犬にとっても居心地がいいんだろう。泊まりに来る若者にすぐになついて、阿蘇を駆け巡っているいうわけだ。
 夜は知らない者同士、雑談をするのが楽しみである。会ったばかりの相手なのに、身の上話なんかしている。名古屋から来た大学生は、雨天でバイクのエンジンが止まりそうになったのをこぼしていた。パチンコ屋でバイトしているんだが、プロレスをけがしてやめた人などもいて、話をするだけでも面白いと言っていた。


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 04:41| Comment(0) | 旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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