2018年01月29日

男はつらいよ 幸福の青い鳥(第37作)

 第八作「寅次郎恋歌」の冒頭と結末に、旅役者中村菊之丞の一座が出てくる。座長の娘は大空小百合の芸名で演じていた。寅次郎は傘で見送った小百合に景気よく紙幣を渡すが、千円のつもりが五千円札だったので、宿代がなくなるという落ちがついていた。
 筑豊を旅した寅次郎は、座長の死を聞き、かつて小百合の名で芸人をしていた美保と再会する。別れ際に美保は「青い鳥がほしい」と洩らす。旅館で芸者のような仕事をするのに飽き足らずにいたのだ。寅次郎は美保に、東京に出てくるようなことがあったら、柴又に寄るように言い残す。
 上京した美保は、チンピラにからまれる。それを救ったのが、看板屋の健吾だった。美保が発熱しているのを知り、自分の部屋に呼んで面倒を見る。健吾は画家志望の青年で、プライドが高く、屈折した心の持ち主だった。親切にしたのも、下心がなかったわけではない。気になりつつも、美保は置き手紙をして部屋を去る。
 とらやを訪れた美保に、寅次郎は二階の部屋を提供し、就職先も紹介してやる。美保に対して「一点のやましさもない」と宣言する寅次郎は、お婿さん探しまで始める。だが、美保は健吾のことが忘れられず、看板屋を訪ねていた。賞に落選してスランプ状態の健吾は、そばにいてほしくて、美保をベッドに押し倒す。愛情表現が不器用な健吾に、ショックを受けた美保は部屋を出て行く。
 屈折した画家志望の青年を演じたのは、長渕剛である。最近の写真しか見ていなかったから、若い頃はこんな顔していたんだと思った。感情の起伏が激しいが、根はいい奴で、調子に乗ってハーモニカ吹いてるところが、さすがに決まっていた。「乾杯」を歌う歌手ぐらいにしか思っていなかったが、魅力ある演技には感服した。
 美保を演じたのは、志穂美悦子である。この作品を撮影した翌年の1987年に長渕剛と結婚した。実は、僕は志穂美悦子を目の前で見たことがある。中学三年の時に、「ゲーム ホントにホント?」というクイズ番組に出たとき、志穂美悦子はレギュラーとして出演していた。NHKのスタジオに入ったことは、その時以外にはない。


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 02:53| Comment(0) | 文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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