2017年08月10日

ぼくがダライラマ?(15)

 ぼくは思春期に達していたのだ。ひげも生えてきたし、声変わりもとっくにしていた。この年になれば、女友達の一人もほしいところだが、母さん以外の女性は、こんな山奥の寺の周りにはいなかった。だから、恋愛詩を書いたといっても、すべて空想の産物でしかなかった。瞑想して女神と合体してる坊さんたちと、大して変わらなかったわけだ。
 それよりもっと困るのは、体の内側からこみ上げてくる欲望だった。修行してる小坊主たちと、顔付き合わせることが多かったから、暇さえあれば何やってるか、教えてもらわなくても分かってしまった。夜中になると、母さんが眠ったのを確かめて、立ったまんまの息子をしごいて遊んでいた。
 すると、年中立ちっぱなしになった。食事の時間も、へその下にもう一本生えてきたみたいだった。それに気がついたのか、片付けのときに耳打ちしてくれた奴がいる。
「でも、猊下、チンチンで遊び過ぎちゃだめですよ。この世のものとは思えない、たまらない気持ちになって、白い液体が飛び出しちゃうから。大切な菩提心をもらしたりしたら、観音さまの化身になれなくなってしまいますから」
 いいこと教えてくれたと思った。ぼくは我慢できずに、何回も菩提心を捨ててしまったから、とても出家などできそうにない。ダライラマの生まれ変わりだなんいうのも、何かの間違いだったのではないかと。

「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 04:35| Comment(0) | 連載 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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