2017年01月29日

ぼくはネコなのだ(8)

「この子たちは何日も、ほとんどえさを食べていないんです。あなたにだってネコの心はあるでしょう? こんな小さな子たちに譲ってあげようなんて気は起こらないんですか?」
「言うね。そりゃオレにだってネコの心はあるさ」
 極ネコのおじさんは、意外に物わかりが良かった。えさの入ったお皿の場所からどくと、兄貴とぼくを玄関の方に入れてくれた。
 ぼくたちが頭突きしながら、えさにぱくついていると、何だか妙な具合になった。母ちゃんの背中の方から、白に黒縞のオヤジさんがのしかかり、母ちゃんが変な声を出しはじめたからだ。
「兄貴、母ちゃんがおかしいよ!」
「うまい、うまい。モグモグ……」
 兄貴は食べるために生きているんだろうか。何だか情けなくなってきた。(つづく)

「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 10:53| Comment(0) | 文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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