2017年01月12日

ぼくはネコなのだ(4)

 楽器にしてしまうって? 母ちゃんの話によれば、ぼくたちはおなかの皮だけになって、ちりとてちんと曲をかなでるようになるそうだ。
「ニャーニャーだけじゃなくなるんだ」
 いろんな音を鳴らせるなんて、何だかおもしろそうだ。そこで、三味線がどんな形をしているのか母ちゃんにきいてみたが、なかなか答えてくれない。
「本当は母ちゃんも、三味線が何なのかしら知らないんでしょ」とぼくは言い返した。
「そんなの古い言い伝えに決まってるよ」と兄貴も加勢してくれた。
「親に口ごたえするもんじゃありません。三味線になったら、もうえさは食べられなくなるんですよ」
「それは困るよ。早くおまえもしたくしろ」
 兄貴にまで言われたんじゃ、しょうがない。ねむいけど、引っ越しすることになった。(つづく)

「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 01:23| Comment(0) | 文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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