2013年11月23日

紙の辞書と電子辞書(1)

 僕は若い頃、フランス文学を研究していたが、自分の語学力に限界を感じてしまった。英語は今でも読んでいるが、フランス語の方はなおざりになっている。大学生だった四半世紀前には、パソコンはもちろん、電子辞書の専用端末さえなかった。外国文学をやっている学生は、ひたすら紙の辞書を引き続けなければならなかった。しかも、一つの言葉を調べるのに数分かかる。
 フランス語のように、多義語が目立つ言語だと、知っている単語でも、辞書を引かないと、その文脈で使われている意味が分からない。毎日苦行をさせられているようなものだった。
 電子辞書の専用端末が店頭に並ぶようになり、僕も一度は買ってみた。すぐに引けるのには感動したが、画面がとても小さい。その頃、電子辞書と紙の辞書と、いずれが優れているかが議論されていた。登場する論客には、年配の先生が多かったから、紙の辞書に軍配を上げるに決まっていた。
 理由として挙げられるのは、電子辞書は画面が小さく、言葉の全体を見渡すことができないということだった。語学力をつける秘訣は、一つの言葉の多義性と、派生語の関係を的確にとらえることだから、確かにこれには説得力があった。ただし、言葉の引きやすさでは、紙の辞書は電子辞書の敵ではない。(つづく)


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posted by 高野敦志 at 00:54| Comment(0) | 語学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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