2012年12月10日

言葉の万華鏡(2)

 空間という制約にとらわれないようにするには、チェスや将棋、囲碁のようなゲームが有効だとされる。その手を使えば、相手はこう出てくるだろう、あの手を使えばこう動くはずだと、状況のバリエーションをいくつも頭に思い描かなければいけない。先の先まで読んでバリエーションの中から、最も有利な手を選ばなければ、強力な相手を打ち負かすことはできない。ゲームの名人とコンピューターが対決した場合、バリエーションの計算では、人工知能に軍配が上がるようである。
 シュルレアリストのマルセル・デュシャンMarcel Duchamp(1887‐1968)なども、チェスには熱中していたとされる。制作中の作品がどのような形をとるか、バリエーションを想像し、その中で最も的確なものを選び出す訓練になったからだろう。
 文学においても、イメージのバリエーションを取り入れる実験は、絵本などではすでに行われている。一枚のページを横に幾つかに分割し、そのいずれかをめくることによって、あまたの絵のバリエーションが現れるようにするのである。(つづく)


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 01:36| Comment(0) | 文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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