秋晴れのよい天気だった。原爆資料館を見学したのだが、詳しいことは書かれていない。橋の欄干が焼きつけられた路面、溶けてねじ曲がった鉄骨、熱で炭化した弁当箱のご飯、ケロイド状に焼けただれた背中などは、記憶の中に残っている。井伏鱒二の『黒い雨』を事前に読んでいたから、どんな状況だったかは、知識としては知っていたが。余りの酷さに目を覆うばかりだとしか書いていない。
その夜は広島のホテルに泊まった。ところが、修学旅行らしくなく、個室に一人ずつ入るように言われた。オートロックのことも分からず、鍵を中に置いたままドアを閉めてしまい、担任のK先生に頼んで開けてもらった。(つづく)
「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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ラベル:修学旅行,広島,原爆資料館