2020年08月10日

追憶の高知(5)

 桂浜に下りていった。右端に松の生えた岩山がある。海に突き出した頂の上には、赤い鳥居と小さな社が建ち、そこに至る石段と可愛い石橋が続いている。
 月夜が美しいという。満月の夜なら石段や社が、闇から浮き上がって見えるのだろう。今は青い海に光がまたたいている。浜には小指の先ほどの小石が打ち上げられている。波は岸辺近くで一気に崩れる。
 岩山の社に向かって駆けていった。そこから夕日を浴びて輝く海原を見下ろした。もう時間がない。バスに飛び乗り、桟橋の所で路面電車に乗り換える。過去の遺物と思われる乗り物だが、車内から見える家並みや、レールの可愛らしい響きを聞くと、懐かしさがこみ上げてきた。(つづく)


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 01:37| Comment(0) | 旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

みちのく・では 陸奥・出羽の旅 第2版(pdf)

 僕の青春時代から数年前に至るまでの全4回、東北を旅した紀行文です。東北は江戸時代までは、広大な地域が、陸奥・出羽の2国にしか分割されていませんでした。長らく日本人にとっては、最果ての地だったからです。
 ここには、旅の先々で感じた思いやイメージがつづってあります。エキゾチックな感覚にとらわれるのは、僕だけではないでしょう。そこには寡黙ながらも、懐の深い自然があります。気軽に読めるものと思いますので、目を通していただけたら幸甚です。
 ちなみに、表紙の写真は白神山地の十二湖で撮影したものです。
 第2版では「三内丸山遺跡を訪ねて」の一章を追加しました。以前、ダウンロードされた方は、ファイルを差し替えて下さい。
michinoku2.pdf

 パソコンですぐに開けるpdfファイルなので、保存してからご覧下さい。Adobe Acrobat Readerの「フルスクリーンモード」だと、バーチャルな書籍がモニターに再現されます。iTunesからダウンロードする場合は、マイミュージック→iTunes→podcasts→当該のフォルダの下に、ファイルが入ります。

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