2020年08月04日

追憶の高知(1)

 高知行きのバスに乗っていた。車窓から見えるのは太平洋。手前数百メートルまでは、ミルクを溶かしたようなエメラルドグリーン。沖は青く境界線がくっきり見える。珊瑚も生息するというから、沖縄の海に似ている。ただ、沖縄は光がさらに強く、浜も美しい白砂だ。沖合に白波が立つたびに、鯨だろうかと、半ば冗談気分で目をやったりした。
 安芸付近まで来ると、廃止された土佐電気鉄道安芸線のトンネルや橋が、無慚な姿をさらしていた。しかし、ほぼ同じ経路を阿佐線(ごめん・なはり線)が走ることになるのは、この時点から八年後の2002年(平成14)のことである。建設するならどうして廃止したんだろう。
 高知を訪れるのはこれが二回目である。最初は高校の修学旅行のときで、それから十五年も経っていた。はりまや橋のあたりを、制服姿で同級生と歩いたものだった。「土佐の高知のはりまや橋で、坊さんかんざし買うを見た」という「よさこい節」のはりまや橋だが、当時は朱塗りの欄干のみ残して埋め立てられていた。1998年(平成10)以降は石造りの欄干に変わり、はりまや橋公園に朱塗りの橋と水路が再現されている。(つづく)


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posted by 高野敦志 at 02:01| Comment(0) | 旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「は」と「が」の使い分け(第3版)

 日本人が何気なく使っている「は」と「が」は、外国人の日本語学習者には、なかなか習得することが難しい。同様の区別がある韓国語の話者なら、すぐに理解してもらえるが、中国人や欧米人には、煩雑すぎてなかなか理解してもらえない。読んだり聞いたりする分には問題なくても、いざ表現する段になると、上級レベルの学生でも間違えてしまうことが多い。
 古代の日本語では主題の「は」は、用いられていたが、主格の「が」の位置には何も現れなかった。「我が国」の例に見られるように、現代語では所有の「の」に相当する表現として、「が」は用いられていたのである。

 色は匂へど散りぬるを(現象である花は咲いても散ってしまうのに)「いろは歌」

 むかし、男ありけり。(昔、男がいた。)「伊勢物語」

 外国人は初級で「は」と「が」を習うのだが、基本的な用法を習得しないまま、さまざまな用例にぶつかって、混乱してしまうことが多い。とりあえず辞書を見れば、文法的な説明は書いてあるのだが、細かく分類してあるので、途方に暮れてしまいがちである。外国人に微妙な使い分けを教える場合は、要点をとらえて、これだけ知っていれば、九割方は正しく使いこなせるようにするのが、実用的な教え方である。
 留学生に「は」と「が」の使い分けを、分かりやすく説明してほしいと頼まれたので、試みに資料を作ってみた。外国人の中級・上級レベルの学生に教える場合や、日本語学習者で使い分けの区別を確認したい場合は、以下のリンクでpdfの文書を開いてみてほしい。
watoga.pdf

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