2020年07月10日

マスク教

 二〇二〇年の日本では、口と鼻をすっぽり布でふさぐマスク教という新興宗教が流行した。マスクが無病息災の呪符であるかのように、薬局に参拝する老若男女が長蛇の列を作った。この宗教のタチが悪い点は、他人にも信仰を押しつけるところにあった。乗り物に乗るのでも、職場で働くのでも、店に入るのでもマスク着用を強要する有様だった。あまりの弊害に、時の政府もマスク着用の義務なしとのお触れを出したが、マスクへの熱狂はとどまることを知らず、マスク姿で授業をする教師は低酸素症になり、炎天下でマスクをつけて体操させられた子供は熱中症になり、マスクをつけられたまま寝た老人は脳血栓を起こすほどの狂信ぶりであった。


 「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 01:11| Comment(0) | ショートショート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする