2020年01月07日

プレーリードッグのキョロ(4)

 キョロはいたずら好きだった。かじれる物だったら、壁でもソファーでもかじってしまう。そこで、柵を作ってソファーには近づけないようにしたが、隙を見てよじ登って越えてしまう。二本足で立てるので、前足が手のように器用である。握って干し草を食べるところは、幼児みたいに可愛いのだが、戸棚の戸に前足をかけて、開けて中に入ってしまう。母と僕はキョロを「泥棒さん」と呼んで、下半身をつかんで引き出したものだ。
 洗濯物は恰好のおもちゃだった。うっかり柵をし忘れると、取り込んだばかりの山に潜り込む。持ち運べるものなら、何でもケージの中に運んでいく。おもちゃと言ったけれども、キョロはメスだから、巣作りの材料を集めているつもりだったのだろう。オスがいなければ、子供ができるはずもないのに。
 あるとき、キョロが女物のパンティーを、ケージの中に運んでいった。まさかはこうとしたわけでもなかろうが、端をつかんで胸の前で揺すっている。それを見て僕は大笑いした。
「キョロがパンツ踊りをしているぞ」(つづく)


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 00:41| Comment(0) | 文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする