2020年01月05日

プレーリードッグのキョロ(3)

 そうした気持ちが、キョロに伝わっていたのかどうかは分からない。とにかく、僕はプレーリードッグとかいう、リスかネズミか、ビーバーかも分からない動物に、当初は親しみを持ってはいなかったのだ。
 その気分を助長させたのは、プレーリードッグの噛み癖だった。牧草を噛みきるのに長けた歯は、ネズミと同じく尖っており、すり減らないように、次々に生えてくる。興奮すると、キョロはぴょんぴょんジャンプを始める。これは危険な兆候だった。それまでに迂闊に手を出して、血が出るほど噛まれたことがあったからだ。
 手を出さなければ大丈夫だろう。そう油断した瞬間、キョロは僕の足に噛みついた。びっくりして足を揺すったが、振り落とされまいと、ますます強く噛んでくる。どうしたらいいか分からなくなり、僕は反動をつけて、キョロを足から振り落とした。
 キョロは飛んでいき、壁にぶつかると脳震盪を起こしたのか、お星様のようにくるくる回り出した。そのままお星様になってしまったらどうしよう?
 しかし、すぐに正常に戻ったから、僕はほっと息をついた。妹が帰ってきたので、面白半分で一部始終を話した。すると、妹は目をむきだして、僕の方を睨んだ。
「キョロちゃんがもし死んだら、お兄ちゃんのこと、一生恨む」(つづく)


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 01:43| Comment(0) | 文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする