2019年12月09日

美幌峠から裏摩周へ(4)

 今回の旅では、タウシュベツを見るのが目的だった。事前に決めていたもう一つの目的地は、裏摩周である。第一や第三の展望台なら近いのだが、裏摩周に行くには、中標津方面に向かって直進し、五十キロも迂回しなければならない。昨日、野付半島に向かったときの道を進んでいく。途中で右折し、ぐんぐん山を上っていく。
 第三展望台からの眺めが最も美しいし、よく知られている。かつて三回、摩周湖を訪れているのだが、いずれも晴れ上がり、摩周ブルーの吸い寄せられる色に魅せられてきた、時間が停止したような、ただただ感嘆してしまう美しさを堪能していた。
 裏摩周の展望台は、カムイヌプリ(摩周岳)の北側から、細長い湖を横から見る形になる。左手にカムイヌプリ、右手に第三展望台が見える位置である。ただし、雲が多いせいで山は中腹まで隠れ、第三展望台も雲の中である。ここばかりが雲一つなく、湖面とカムイッシュを見渡すことができる。
 空は晴れていないが、弱い光が射してくるおかげで、湖面はほんのり青みがかって見える。日の光が雲間から差し、湖面を白く輝かせている。その上をうっすら靄がかかり、光の筋を湖面に走らせている。金色の光によるモノカラーで、墨絵の摩周湖を描いたような、今までに見たことがないような、幻想的な姿をしている。
 ゆっくりと雲が下りてくる。カムイッシュは麓まで雲で覆われた。第三展望台からだつたら、湖面はほとんど見えないのではないか。カムイッシュも靄の中でかすんでいる。光が弱まるにつれ、焦点がとらえがたくなり、湖面も幻の中に消えつつある。その変化を多数の写真でとらえた。(つづく)


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
http://itunes.apple.com/jp/podcast/qing-kong-wen-ku-no-zuo-jia/id504177440?l=en

Twitter
https://twitter.com/lebleudeciel38

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村


人気ブログランキングへ





ランキングはこちらをクリック!

posted by 高野敦志 at 01:32| Comment(0) | 旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする