2019年12月26日

Windows10で縦書きのダッシュが横向きに表示される問題

 これはWindows10のバグであるにもかかわらず、マイクロソフトは二年ほど放置したままである。原因を究明する気などないのだろう。ならば、ダッシュなど使わなければいいのだが、他人の文章にダッシュが入っていたら、いくら横向きが恰好悪いからといって、引用するときに勝手に外すわけにもいかない。
 僕の場合、電子書籍をpodcast(https://podcasts.apple.com/jp/podcast/qing-kong-wen-ku-no-zuo-jia/id504177440?l=)で配信しているので、一太郎できちんと表示されても、ePubやpdfで横向きになってしまっては困るのだ。一太郎でもePubでも縦書きで表示されなければ困る。ダッシュに関しては、横向きの罫線の縦書きフォントを一つずつ、縦中横に設定すると、一太郎でもePub(iOS)でも縦に表示されることが分かった。pdfでは画面が固定されるから、空白に短い罫線を引けば、ダッシュのように見える。
 なお、以前書いたように、……(三点リーダー)については、縦書きの画面で三点リーダーの部分を、IPAmj明朝に指定して変換すれば、ePubでもpdfでも縦に表示される。
 ちなみに、マイクロソフトのEdgeはePubのサポートを終了し、2019年8月以降、EdgeではePubを開けないように仕様を変更した。日本語の縦書きがePubでどう表示されようが、もうどうでもいいのだろう。


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posted by 高野敦志 at 02:28| Comment(0) | コンピュータ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月25日

ぼくがイヌ派だった頃(39)

 大五郎の病状は悪化していった。心臓の発作が余りに苦しそうなので、獣医に往診してもらった。注射を打つと症状は治まったが、いつ再発するか分からず、医師が到着するまでは、飲み薬を投与するように指示された。
 しかし、餌の中に混ぜただけでは、錠剤だけ残してしまう。包丁で潰して肉の缶詰に混ぜるしかなかった。老化も進んでいき、眼球が白濁してきた。人間の白内障と同じで、目もほとんど見えなくなった。脳血栓の症状も出てきて、まっすぐ歩かせようとしても、同じ方向に回転してしまう。
 そこで、玄関を柵で仕切って、その中に大五郎を入れておくことにした。それでも、便意を催すと、大きな声で鳴いた。犬は嗅覚が人間の一億倍もあるため、自分が眠るところでは、糞便はしたがらないのである。
 真夜中でも鳴くと、大五郎を抱き上げて通りに連れていった。小便をする間も、体を支えてあげなければ倒れてしまう。老犬介護は数ヶ月続いたように思う。

 ついに、大五郎は餌を食べられなくなった。食べようとしても、飲み込めないのである。最期の時が近づいてきた。三日後、ちょうど獣医が休みの日に、大五郎は激しい心臓発作に襲われた。薬を飲まそうとしても吐き出してしまう。どうすることもできなかった。苦しみは夜通し続いた。
 翌朝、大五郎はコンクリートの上に横たわっていた。眠っているものと信じたかった。用事があって、ちょっと外出して戻ってきた。僕は元気がいい頃の、立ち上がった大五郎を想像したが、現実に目にしたのは、布がかけられた姿だった。仏壇から香炉を借りてきて、線香をあげた。
 子犬の姿でうちに来てから、十八年半。人間の赤ん坊が高校を卒業するほどの時間が、その間に流れていた。高校生だった僕も、三十半ばを過ぎていた。青春とともに、大五郎も去っていったのだった。


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posted by 高野敦志 at 01:50| Comment(0) | 文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「と」「ば」「たら」「なら」の違い

 人間は似ていることを区別するのが苦手である。フランス語を勉強していた頃、フランス語の単語を思い出そうとすると英語の単語が浮かび、英語でしゃべろうとすると、フランス語の単語が邪魔をした。
 同じようなことは、中国人の日本語学習者が、日本語で文章を書いているときにも起きる。中国語の簡体字が混入してしまうのである。また、中国語で話しているのに、日本語の漢語が混じってしまい、国の友人に怪訝な顔をされたという話も聞く。
 松尾芭蕉の俳句に

 物言へば唇寒し秋の風

というのがある。
 人の短所を言ったりすると、後味が悪いものだという格言のように使われるが、「物言へば」の部分は、現代語なら仮定条件を表す「仮定形」で「物を言うなら」だが、芭蕉の俳句は文語だから「已然形」で確定条件となり、「物を言ったので」ぐらいの意味となる。
 文語の場合、仮定条件を表すなら、「未然形」に接続する。「物言へば」ではなく、「物言はば」となるのである。慣用句の「言わば」は、「たとえて言ってみれば」という意味で、現代語なら、仮定形で表されるところなのである。古典の授業で習ったことを忘れると、この辺の違いが分からなくなってしまう。

 名にし負はばいざ言問はむ都鳥
  わが思ふ人はありやなしやと

 東京の浅草に言問橋という橋があるが、この和歌は『伊勢物語』の中で、在原業平とされる主人公が、都鳥という名の鳥に向かって、「名前に都とついているなら、都鳥よ、質問しよう、私の大切に思う人は無事かどうか」と問うたものである。都鳥というのはユリカモメのことで、「これなむ都鳥(これこそ都鳥です)」と聞いたばかりだからこそ、「名にし負はば(名前についているなら)と、詠んだのである。

 現代語の「春になれば桜が咲く」は、文語の已然形に由来する「恒常条件」である。「春になると桜はいつも咲く」のである。一般に、「ば」を従属節に用いる表現では、主節に意志や希望、命令の表現は来ない。
「もし雨が降ってくれば、キャンプは中止しなさい」は非文となる。その場合、「もし雨が降ってきたら」というのが正しい表現となる。にもかかわらず、従属節の用言が「ある」など状態性の動詞や形容詞なら、「質問があれば、手を挙げてください」「安ければ、買いたいです」と言えてしまうのである。
 このように、「と」「ば」「たら」「なら」の区別は煩瑣を極め、日本語話者であっても、文法的な使い分けを説明するのは、容易なことではない。
 そこで、「基本的な用法」と「応用的な用法」に分けて整理してみた。網羅的に学習するのは難しいが、よく用いられる表現を一通り押さえておけば、自分が表現する際の誤用は避けられる。上級の日本語を学習している外国人学生や、日本語を教えている方は、参考にしていただきたい。

 以下のリンクからダウンロードできます。
tobataranara.pdf

 iTunesからダウンロードする場合は、マイミュージック→iTunes→iTunes Music→podcasts→当該のフォルダの下に、ファイルが入ります。大部分のパソコンにインストールされているAdobe Readerで読むことができます。

 なお、パソコンのiTunesで「購読」したり、iOSのアプリpodcast(https://itunes.apple.com/jp/app/podcast/id525463029?mt=8)でマイpodcastに登録すれば、確実に新しいエピソードが入手できます。

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