2019年10月20日

岡田惠和の『少年寅次郎』(1)

 山田洋次監督の『男はつらいよ』シリーズは、中年以上の世代には国民的映画として知られている。『男はつらいよ』にはテレビ版と劇場版があり、一般に知られているのは後者の方である。
 それとは別に、山田監督には『悪童(わるがき)』という小説がある。『男はつらいよ』シリーズの主人公、車寅次郎の少年時代を描いた小説で、いずれ山田監督により映画化されるものと期待されていたが、一足先に『ちゅらさん』や『ひよっこ』で知られる岡田惠和氏によってテレビドラマ化された。
 このドラマを見る視聴者は、多くが『男はつらいよ』シリーズのファンだろう。したがって、『少年寅次郎』に登場する人物を、『男はつらいよ』の登場人物の若かりし日の姿として見ることになる。
 第一回は寅次郎の生い立ちから、妹さくらの誕生までが描かれた。父平造が芸者きくに生ませた子供を、平造の妻光子が我が子のように愛し育てる。光子役の井上真央と少年寅次郎役の藤原颯音の仲むつまじさがほほえましい。寅次郎の悪ガキだが心優しい面がよく描かれている。柴又帝釈天の住職、御前様役の石丸幹二の演技に、笠智衆の仕草が重なって見えた。好調な滑り出しだが、全体の印象としては、岡田惠和のほのぼのとした世界である。(つづく)


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 00:32| Comment(0) | 文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする