2019年10月14日

濁流の多摩川

 台風19号が去った10月13日の朝、自転車で多摩川を見に行った。風はまだ強かったが、空には雲一つなかった。もう秋半ばというのに、雪をかぶらない富士を望むのは珍しかった。
 多摩川の河原には、大勢の人が見物に来ていた。支流の一部が氾濫し、死者まで出たと報じられていたので、現状を目にしたいと思う人が多かったからだろう。
 川はすっかり姿を変えていた。水位はかなり下がっていたが、抹茶色の濁流が川幅いっぱいに広がり、怒り狂ったように逆巻いていた。中州の多くは消え去り、生えていた低木は横倒しになっていた。木々に囲まれた湧水の池は跡形もなく消えていた。
 サイクリングロードを走ると、河原のグラウンドは溜池のように泥水がたまったり、引いたところも泥沼と化していた。柵はなぎ倒され、流れてきた草や枝がからまっていた。サッカーゴールのように重たい物を除けば、河原にあった用具は大半が押し流されていた。堰の端からは濁流が滝のように流れ落ち、水の引いた河原では、鷺や鵜が羽を休めていた。
 土手にたたずみ、内側を覗くと、すぐ下まで濡れており、夜中にここまで水が来ていたのが分かった。あと一メートルほどで、濁流が堤防を乗り越えるところだったというわけだ。


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 06:49| Comment(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする