2019年10月08日

日本語の連文的機能

 日本語の文章では、代名詞や指示詞を省略する傾向がある。連文的機能が潜在化しており、文と文のつながりを読み手に推測させるのである。日本語の文章を読みこなすことは、決して容易な作業ではない。
 優れた書き手は、目に見えないつながりの糸を絡ませることで、テキストを織り上げていく。ただし、つながりが複雑な場合には、名詞を繰り返すことで誤読を防ぐ。詩的な文章においては、文と文の論理的な関係を示す接続詞も避けられる。
 同じ書き言葉でも、論理的な文章は誤読を避けるために、指示詞や代名詞を多用するが、これには欧米の言語や翻訳文の影響も考えられる。文章の構成への理解を助けるために、接続詞も多用される。
 話し言葉になると、話す方も聞く方も、文と文のつながりを理解する能力が低下する。発話されたそばから、言葉が消えてしまうためである。そこで、誤解の恐れが少ない場合でも、名詞を明示したり、表現を繰り返すことになる。順序立てて話すことは難しく、接続詞を介在させることなく、脈絡のない話が飛び出したりする。
 さて、外国人の書いた日本語がぎこちなくなりがちなのはなぜか。代名詞や指示詞、接続詞を多用すれば、堅苦しい翻訳調の文章となる。誤用すれば、非文になるわけだが、顕在する誤りがなくても、文と文のつながりがなく、文を羅列したような場合がよくある。それは隣接した文と文以外に、離れた文と文の連文的機能まで、目を配る余裕がないためと考えられる。これは外国人の文章ばかりでなく、日本人が書いた稚拙な文章でも言えることである。


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 03:04| Comment(0) | 日本語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする