2019年10月03日

ぼくがイヌ派だった頃(27)

 真夏は暑くても、窓を開ければ風が入ってくる。家が建て込んでいなかったから、エアコンを使わないときの方が多かった。
 サッシを開けっ放しにすると、いろいろな物がうちに入ってくる。蚊は御免こうむりたいが、鳩なら話は別だった。畳の上をついばむさまが滑稽だったからだ。僕は面白がっていたが、母はすぐさま目の色を変えた。土足で畳に上がるのが許せないらしい。父が拾ってきた子猫を、捨てさせに行かせたのも、畳が汚れるだけではなく、動物の分際で座敷に上がるのは「以ての外」という意識があったからだろう。
 大五郎を庭に放しているとき、たまたま開けっ放しにしていると、座敷に飛び込んできて、くんくんいろいろな物の匂いをかいでいる。この場合も、僕は面白がったわけが、母の剣幕に追い出さざるを得なかった。ただ、追いかけても、部屋の中を逃げ回るばかり。そんなときは、掃除機のスイッチを入れ、大五郎に向けて近づけると、ワンワン吠えながら、すぐに庭に下りてくれるのだった。(つづく)


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 03:14| Comment(0) | 文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする