2019年09月27日

猫の家出(7)

 翌朝も罠を仕掛けたが、弟の猫は一向に入ろうとしない。猫が罠にかかったところを覚えているのか、極度に警戒心が強いのか、ただ単におびえているのか。早くも妹の方があきらめ顔になった。手なずけるのも駄目で、罠も駄目となると、もはや手詰まりの状態である。あとは猫の気持ち次第か。
 夕方には、罠を仕掛けることもやめてしまった。猫を呼ぶと近づいてきたので、今までのようにちょっと離れて餌をやった。食べ終わった弟の猫は、ゆっくり立ち上がった。いつもはすぐに、門の方に去ってしまうのだが、今日はなぜか玄関の方に歩いてお座りした。
 もしや、家の中に入りたくなったのか。微かな希望が湧いてきた。ただ、玄関を開けようとしたら逃げてしまった。(つづく)


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
http://itunes.apple.com/jp/podcast/qing-kong-wen-ku-no-zuo-jia/id504177440?l=en

Twitter
https://twitter.com/lebleudeciel38

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村


人気ブログランキングへ





ランキングはこちらをクリック!

ラベル:猫,家出,罠
posted by 高野敦志 at 01:47| Comment(0) | 文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする