2019年09月20日

カルロス・カスタネダの『ドンファンの教え』

 カルロス・カスタネダの著作は、ヒッピーの世代のアーティストに影響を与えた。ドンファンの教えの中心は、幻覚性の植物や茸を摂取することで、現実と異なる世界に触れようとするものだからだ。例えば、ダチュラには女性の人格が付与され、修行者を試す女神のように扱われている。
 幻覚性の植物を扱うことは、法律に違反するし、人体に有害である。ダチュラはチョウセンアサガオの名で知られている。この植物を用いて、華岡青洲は麻酔薬を開発し、乳癌の手術を行ったが、実験に協力した青洲の妻は失明した。作家の中島らもも、少量摂取しただけなのに、目やにで目を開けることができなかった。中島は薬物の使用で逮捕されているし、階段から転落して亡くなっている。
 だから、第1巻に関しては、否定的な影響を与えたという気がしてならない。幻覚性の植物や茸を服用して、現実を超えた世界に触れるのは愚かだし、危険である。
 しかも、ドンファン自体が、カスタネダによる創作の疑いが強い。人類学のフィールドワークの形式を取っているが、フィクションとして鑑賞すべきだろう。第二部の「構造分析」は、第一部の「教え」を分析し、帰納的にまとめた形式を取っているが、実際には、カスタネダは「構造分析」を演繹し、想像力を展開して「教え」の部分を書き上げたのだろう。
 カスタネダの思想が刺激的であるのは、現実と異なる世界が記述されているからだが、それは夢を介して触れることも可能である。ドンファンの勧める幻覚性の植物や茸は、固定観念を崩す効果はあるとしても、失明や内臓へのダメージ、精神障害を引き起こす危険が高い。修行の方法としては、邪道と考えるべきだろう。

主要参考文献
カルロス・カスタネダ『ドンファンの教え』(真崎義博訳 太田出版) 


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 02:22| Comment(0) | 宗教 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする