2019年09月02日

ぼくがイヌ派だった頃(22)

 ただ、それは飼い主が一人の場合で、家族で飼っている場合には問題が多い。大五郎の好き気ままに任せたため、いきなり走り出したり、急に立ち止まったりするようになった。
 わがまま息子のような大五郎に、手を焼いたのは母だった。当時はまだ四十代だったが、運動をやっていたわけでもないし、腕に筋肉があったわけでもない。
「あんたが走るもんだから、私が散歩連れてくとき、大変なんだから」
 母は必死に走るまいとするのだが、大五郎は逆らうように走り出す。急に立ち止まろうとするので、姿勢のバランスが崩れてしまう。
「あっ」
 急に反対に走り出した大五郎に、母は足を滑らせ、そのまま路面に引きずり倒された。痛くてしばらく立ち上がれない。大五郎はようやく気づいて、母をいたわるように顔を近づけた。(つづく)


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
http://itunes.apple.com/jp/podcast/qing-kong-wen-ku-no-zuo-jia/id504177440?l=en

Twitter
https://twitter.com/lebleudeciel38

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村


人気ブログランキングへ





ランキングはこちらをクリック!

posted by 高野敦志 at 00:00| Comment(0) | 文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする