2019年09月22日

宇宙人をめぐる言説

 日本人には意外だが、欧米では宇宙人が実在すると信じている人が多い。しかも、UFOに乗って地球に来訪していると信じているようだ。古代文明では神々の降臨が語られるが、神々こそは宇宙人だと考えたり、人間は宇宙人の手で、類人猿に宇宙人の遺伝子を組み込んで生まれたと主張する。
 その目的は人間を奴隷として働かすためだったという。黒死病は宇宙人がまいた細菌兵器のせいだったとか、宇宙人はさらなる遺伝子操作によって、外見は人間そっくりで、心は宇宙人の第二の人類を作り上げたとか。食人の習慣があって、人類を滅亡させるために、種々の陰謀を企てているとか。ここまで来ると、妄想は止まらない。宇宙人は水銀を利用して、重力に縛られないエネルギーを獲得しているとか、四次元を利用して、時空を瞬間に移動できるとか。
 宇宙人は地球を侵略するためではなく、人間に警告を発するために来訪しているという説もある。人間も体外離脱することで、時空を超えて宇宙人と交流できるという主張もある。ロバート・モンローの開発したヘミシンクは、脳波誘導によって、それを実現可能とするツールだとされる。
 アメリカ軍も公式にUFOの存在を認め、トランプ大統領は宇宙軍を創設した。安倍首相までが、千葉県の台風被害はどこ吹く風で、宇宙作戦隊を来年創設すると発表した。あなたはついていけますか。


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2019年09月21日

猫の家出(4)

 妹は弟の猫のことを放って、北海道に行ってしまった。初めの頃は昼間も庭で遊んでいた猫だが、お腹がすかなければ寄っても来ない。逃げ回る弟の猫を見て、きっと脅えているんだろうと思った。捕まえよう、捕まえようという意識が、猫には殺気として伝わっているのではないか。
 どうせ自分一人では捕まえられないわけだし。妹が旅行している間は、ひとまず餌だけ与えることにした。猫の猜疑心を解き、親しみを蘇らせることが先決なのだろう。
 朝と夕方、いつも餌をやってる時間に、弟の猫は現れた。皿に餌を入れてやると、恐る恐る近づいてきて、一口くわえて一メートル離れたところで食べた。ちょっとショックだった。これじゃまるで、野良猫と見知らぬおじさんみたいじゃないか。
 次は餌を皿に置いたままにして、うちの中から覗くことにした。窓をそっと開けたら、微かな音を聞きつけて、猫は逃げてしまった。これは重症だなと思った。
 そこで、餌を庭先に置いて、一メートル離れ、壁に寄りかかってそっぽを向いていた。猫は恐る恐る近づいてきて、こちらに警戒しながらも、餌を食べるようになった。この調子で慣らしていけばいいんだな。(つづく)


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ラベル:猫,家出,餌
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2019年09月20日

カルロス・カスタネダの『ドンファンの教え』

 カルロス・カスタネダの著作は、ヒッピーの世代のアーティストに影響を与えた。ドンファンの教えの中心は、幻覚性の植物や茸を摂取することで、現実と異なる世界に触れようとするものだからだ。例えば、ダチュラには女性の人格が付与され、修行者を試す女神のように扱われている。
 幻覚性の植物を扱うことは、法律に違反するし、人体に有害である。ダチュラはチョウセンアサガオの名で知られている。この植物を用いて、華岡青洲は麻酔薬を開発し、乳癌の手術を行ったが、実験に協力した青洲の妻は失明した。作家の中島らもも、少量摂取しただけなのに、目やにで目を開けることができなかった。中島は薬物の使用で逮捕されているし、階段から転落して亡くなっている。
 だから、第1巻に関しては、否定的な影響を与えたという気がしてならない。幻覚性の植物や茸を服用して、現実を超えた世界に触れるのは愚かだし、危険である。
 しかも、ドンファン自体が、カスタネダによる創作の疑いが強い。人類学のフィールドワークの形式を取っているが、フィクションとして鑑賞すべきだろう。第二部の「構造分析」は、第一部の「教え」を分析し、帰納的にまとめた形式を取っているが、実際には、カスタネダは「構造分析」を演繹し、想像力を展開して「教え」の部分を書き上げたのだろう。
 カスタネダの思想が刺激的であるのは、現実と異なる世界が記述されているからだが、それは夢を介して触れることも可能である。ドンファンの勧める幻覚性の植物や茸は、固定観念を崩す効果はあるとしても、失明や内臓へのダメージ、精神障害を引き起こす危険が高い。修行の方法としては、邪道と考えるべきだろう。

主要参考文献
カルロス・カスタネダ『ドンファンの教え』(真崎義博訳 太田出版) 


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