例えば、ジョン・コルトレーンの《ジャイアント・ステップス》は、ステレオ版よりもモノ版が好まれる傾向がある。1960年に収録されたアルバムだが、当時はステレオ録音の技術が未熟で、ステレオ版だとサックスが左で、それ以外の楽器は右からと、左右に分離してしまっている。正面からは何も聞こえないような感じである。
MQAの音源をダウンロードして、誤ってアップサンプリングして聴いたときもそうだった。アップサンプリングをすると、MQAの折りたたまれた部分がデコードされない。音が左右に分離してしまっている。モノ版が人気あるのも、左右に引き裂かれたステレオ版の不自然さが、避けられているためである。
そこで、アップサンプリングを切ると、MQAの折りたたまれた部分がデコードされた。分離して聞こえていた音が渾然一体となり、絶妙な楽器の位置関係を再現して聞こえてきた。MQAの時間軸解像度のおかげで、本来の音像が再現されたのである。
「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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