2019年08月03日

モンゴルの少年

 大草原に少年の家族は住んでいた。隣のゲルまで数キロ離れていたから、少年の遊び相手は犬と家畜の羊だった。
 ある時、隣人が馬に乗ってやってきた。少年は犬を動けなくするため、石につないだ。犬は石を引きずったまま走り回った。おみやげは捕らえたばかりの小鳥だった。お客が帰ると、少年はお父さんと一緒に小鳥を逃がした。
 次の日、少年は羊に石をつないでみた。羊ものろのろと石を引きずって歩いた。蛙にも小石をつないだのだが、すっかり忘れて眠ってしまった。
 翌朝、少年はゲルの中で石につながれていた。おじいさんは、干からびた蛙の死体を見せて言った。
「お前がどんなことをしたか分かったか」
 少年は命の大切さに気づいて涙を流した。


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
http://itunes.apple.com/jp/podcast/qing-kong-wen-ku-no-zuo-jia/id504177440?l=en

Twitter
https://twitter.com/lebleudeciel38

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村


人気ブログランキングへ





ランキングはこちらをクリック!

posted by 高野敦志 at 01:49| Comment(0) | ショートショート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする