2019年07月19日

ぼくがイヌ派だった頃(11)

 サブには頭を突っ込む癖があると話したが、今度はスカートの中ではない。ブロック塀の穴に突っ込んだのだった。かつて敷地の境界には、高いブロック塀が立っていたものだ。ただ、風通しを良くするために、ところどころ穴が開いていた。
「サブが道の方に顔を出してるよ」
 ぼくは仰天して母を呼びに行った。行きはよいよいだが、帰りは耳が引っかかって抜けなくなったらしい。何とも無様な姿で首かせをはめられ、さらし物にされている感じだった。
 どうにも困り果てた母は、父の勤め先に電話をかけた。そんなことで一々電話してくるなととがめられたが、塀の穴をハンマーで崩せばいいと教えてくれた。
 ぼくはサブの首を傷つけないようにして、穴の縁を広げていった。おかげでサブは、前よりも頻繁に穴から顔を出すようになった。(つづく)


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 05:05| Comment(0) | 文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする