2019年05月14日

五稜郭は和洋折衷(5)

 建物の中に入れないのに、修道院の庭で1時間過ごすのでは、時間を持て余してしまう。そこで写真を撮って、あとでゆっくり鑑賞することにした。ここはフランスのシトー会系修道院。スレート葺きの屋根に朱のレンガ壁、そそり立つ尖塔が青空に映えている。庭園の木は球状、または四角に切りそろえられている。剣を下に向けた天使は、仁王像のように、よこしまな輩の侵入を防いでいるのだろう。
 フランスの庭園と言えば、ヴェルサイユ宮殿が代表的だが、左右対称で直線、円形、三角、四角などで形作られ、自然を人工的に支配する発想が根底にある。同じヨーロッパでも、イギリスの庭園の方が、自然の景観を活かしており、日本人にとっては居心地がいい。
 日本の庭園も自然を模しているだけで、人工的に池や岩、庭木を配置し、時には幹と枝に縄をかけて、形を矯正したりもするが、根底にあるのは自然との共生で、作為的なものを隠そうとする。室内の装飾に関しても、違棚などではあえて左右対称を避けている。だから、フランスの庭園は、日本人にとって物珍しい対象であっても、心安らぐ空間にはなり得ないのだ。(つづく)


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 01:16| Comment(0) | 旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする