2019年05月22日

二酸化炭素排出ゼロ

「私は歴史に名前を残したいのよ。2050年までに東京の二酸化炭素排出量をゼロにする目標立てたから、達成する方法教えてちょうだい」
「そのためには、まず、すべての工場や企業を移転させる必要があります。次に、住民を転出させなければなりません。1300万人が排出する二酸化炭素の量は膨大なものですから」
「人間がいなくなれば、さぞかし空気がきれいになるでしょうね」
「さらに、鳥や魚も二酸化炭素を排出するので、死滅させなければなりません。樹木だって、光合成しない時は排出してますから」
「どんな光景か見てみたいわ。でも、私がいたら二酸化炭素排出してしまうわね」
「大丈夫です。その頃は私たちもお墓の中ですから」


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2019年05月20日

「ぴんぴんころり」のすゝめ

 テレビを見ていたら「ぴんぴんころり」という聞きなれない言葉が、老人の理想の姿として推奨されていた。生涯現役で死ぬまで働き、死ぬ前日もぴんぴんしていて、ぽっくりあの世に逝くことが、これからの国民に勧められているのだ。
 年金制度が崩壊し、70歳過ぎても年金を払えと言われかねない退行国日本。年金支払いが75歳からになれば、74歳までぴんぴんで働き、75歳の誕生日にころりと逝けば、年金も医療費もかからないというのだろう。
 江戸の子守歌に「ねんねんころりよおころりよ 坊やはよい子だ ねんねしな」というのがあるが、令和の時代、死ぬまで働くことを余儀なくされてる老人は、「ぴんぴんころりよおころりよ じいや死ぬまで働けや」と言われてる気がしてならない。楽隠居なんて言葉は夢のまた夢、退職金で海外旅行していたのは、どこかの金持ちの国の話なのだろう。


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2019年05月19日

映画『ゴジラ』第一作

 ゴジラシリーズの第一作で、制作者の意気込みを感じさせる。CGなどなかった時代に、着ぐるみのゴジラを暴れさせ、細密に作られた模型を破壊していくさまは、制作者の創意と努力の成果である。1954年(昭和29)に公開されたもので、昭和時代の街並みと風俗にも目が行った。荷物をリヤカーに積んで逃げ惑う様は、関東大震災の頃と余り変わらない。ボンネットが飛び出したバスは、昭和40年代前半まで走っていた。年配の女性の多くは着物姿だった。
 ゴジラは水爆実験によってすみかを奪われ、小笠原諸島沖の貨物船や、漁船、島の民家を破壊し、東京湾から上陸して沿岸部を焼き払っていく。単なる娯楽映画ではなく、水爆に対する批判のメッセージが込められている。また、破壊者であるゴジラを退治すべきだと主張する主人公尾形と、生物学者の立場から、生態の研究を優先すべきだとする山根の対立、オキシジェン・デストロイヤーという酸素破壊兵器を発明した化学者、芹沢のジレンマなど、多くの問題意識を観客に呼び起こす。
 オキシジェン・デストロイヤーが兵器として悪用されることを恐れた芹沢は、それをゴジラ退治に用いることを、当初は拒絶する。しかし、主人公らに説得され、設計図などをすべて焼却した後、ゴジラ退治にそれを抱えて海の中に潜っていく。ゴジラは窒息したのちに、肉まで溶かされて骨になるのだが、オキシジェン・デストロイヤーの拡散を恐れた芹沢も、水中で自らの命を絶ってしまう。
 ゴジラはゴリラとクジラから作られた合成語である。ゴジラ退治と芹沢の死が重なり合うため、メルヴィルの『白鯨』の結末のように、悲劇的な重苦しさが漂っている。手放しで拍手喝采などできない。子供が見ても理解できないのではないか。
 配役で目を引いたのは、尾形を演じた若き日の宝田明の姿である。こんなイケメンだったとは知らなかった。水もしたたるいい男である。男は年ととともにすっかり容貌が変わってしまう。一方、若き日の菅井きんは、国会の女性代議士を演じていたが、激しい口調で持論を展開する姿に、晩年の意地悪な姑役に通じるところが感じられた。


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