山麓駅の周りには、教会が幾つか並んでいる。その中でひときわ目を引くのが、函館ハリストス正教会である。緑の屋根に白亜の壁を持つ塔は、中東のモスクに似た美しさがある。尖塔がシルエットとなって、夕陽に染まる大空に映えるさまは、息を呑むほどである。通りは残雪が凍っていたが、人が通れるほどの幅で除雪されていた。
ロシア正教の教会は、東京ではニコライ堂ぐらいしか知らない。ただビルの谷間に埋もれ、車の通りが激しいお茶の水の街では、緑色のドーム屋根もすすけて見える。やはり、ロシアのように冷たく澄んだ空気が、正教の教会を美しく見せるのだ。(つづく)
「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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