2019年04月13日

洞爺湖に幻の霊山現る(4)

 湖岸を歩いていくと、白鳥の形をした足こぎボートが、シートをかけられ繋留されていた。見覚えがある。大学三年生の夏、一人でこのボートに乗ったのだ。これで中島まで渡るつもりだったのだから、無知ほど恐ろしいものはない。二人乗りなのに一人で漕いでいたので、まっすぐ進むはずがない。ジグザグに中島近くまで来たとき、遊覧船が近づいてきた。パニックに陥りながらも、かろうじて衝突は免れたのだが、大型船が立てた波で、白鳥のボートは左右に大きく揺さぶられたのだった。
 その後、僕は火山博物館に行ったのだが、現在は西側に移転していた。2000年に噴火口ができた金比羅山の方向に。新しい施設が見えてきたところで、スピーカーから音楽が流れてきた。いやな予感がした。火山博物館の受付に行くと、入場は四時半までと言われた。ただ、同じ建物のビジターセンターは、五時まで展示が見られるということだった。わざわざ雪道を歩いてきたというのに。
 とはいえ、ビジターセンターの壁に、洞爺湖の歴史を説明するパネルが展示されていた。そもそもの始まりは、約11.4万年前の巨大カルデラ噴火で、火砕流が全方向に流れ出したことによる。太平洋側はもちろん、日本海側まで焼き尽くし、陥没した火口に水がたまった。中島は5万年前に噴き出た熔岩が固まったもの。(つづく)


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 03:49| Comment(0) | 旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする