2019年03月23日

長崎のグラバー邸(1)

 路面電車の石橋行きに乗り、終点で下車する。ケーブルカーのような斜面を上るエレベーターがある。四階は住宅地で、五階までケーブルに引かれ、一本のレールの上を滑っていく。上りきったところで、さらに垂直のエレベーターに乗る。
 グラバー園はイギリスの貿易商、グラバーの邸宅だった場所である。時代劇のファンなら、土佐藩を脱藩した坂本龍馬が、グラバーから資金や武器を調達された話をご存じだろう。実は背後にはユダヤの豪商、ロスチャイルド家があり、一方、幕府を援助したフランスの背後にもロスチャイルド家の分家があった。日本国内で内戦を起こして、薩長が勝っても幕府が勝っても、一儲けできると皮算用していたのだ。グラバーの屋敷には天井に秘密部屋があり、そこに坂本龍馬ら幕末の志士をかくまっていたと言われる。
 ところが、内戦を恐れた坂本龍馬が奔走し、土佐藩主山内容堂を通して、徳川慶喜に大政奉還を進言したため、戊辰戦争などを除けば、全土が焦土と化すことは免れた。当てが外れたグラバー商会は倒産し、内戦回避に尽力した龍馬は命を落とすことになった。
 大河ドラマではそうした真相に触れないから、憂国の下級武士が団結して幕府を倒した美談に仕立て上げている。だが、明治時代の人間は明治維新の実話を知っていたから、夏目漱石も「維新」などとは言わず、「瓦解」と呼んでいる。幕府の崩壊とともに、日本がイギリスの属国のようになってしまったからだろう。(つづく)


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 00:00| Comment(0) | 旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする